トランスメディアーレ 2009
毎年1月の終わりになると、ベルリンは数日間国際的なメディアアートシーンの中心へと変化する。今年は「ディープ・ノース」というテーマのもと、「世界文化の家」で開催されたアートとデジタルカルチャーの祭典「トランスメディアーレ 2009」。地元のベルリナーからは、「プレグナント・オイスター」と呼ばれている。今年もベルリンの気温は「ディープ・ノース」というこのテーマにぴったりだった。
トランスメディアーレの中でも若いステファン・リーケレスがアートディレクターのステファン・コヴァッツと共にキュレートしたパフォーマンスは、今回の見所のひとつである。その中でも非常に素晴らしかったのは、ペ・ランとツィモーンによるサウンドオブジェクトのパフォーマンスだ。
モーターが取り付けられ、振り子のように振動する透明なガラスプレートの上に載せられた様々な物体が、音を奏で、そして増幅していく。結果として生じる音の構造のもろさや複雑さが、楽器から出る音の優美さや単調さと共鳴する。
同じ日の晩、エヴェリーナ・ドムニチ&ディミトリ・ゲルファンド・ウィズ・テツによる「ソノレビテーション」が披露された。
ソノレビテーションでは、レビテーション(空中浮揚)が音によって実現される。小さな金のかけらが宙に浮き、まるで魔法のようだ。
ベルリン在住の日本人ミュージシャン青木孝允と制作を行った黒川良一のパフォーマンスも非常に印象的だった。彼のオーディオヴィジュアルの探求は、非常にポエティックで密度が濃い。
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