OFFFフェスティバル 2008
フェスティバル2日目は、フィフティダン・アンド・フレンズ、ルイ・ヴィエイラのパーソナルプロジェクト、フルシックス・ポルトガルのプレゼンテーションで幕開けとなった。ルイは、そのプロジェクトの複合的な特徴を説明、イラストから動きのあるものまで、異なる専門分野に現れているポルトガルの才能を紹介した。
イングリーディエンテXは、ポルトガルのテレビ番組用に作成したモーショングラフィックの作品や、ミュージシャン、Gomoのビデオクリップを披露した。
ダイアレクティカは、イラストレーションを得意とするグラフィックデザインスタジオで、そのイラストは様々なプロダクトの表面を飾っている。それは、バンズやアディダスのシューズ、CD、Tシャツや展覧会など多岐に渡る。そして、ペドロ・ピントの映像作品の発表で幕を閉じた。
フィフティダン・アンド・フレンズ
カールソンウィルカーは、ニューヨークはマンハッタンの中心に位置するデザインスタジオだ。創設者のヒャルティ・カールソンとヤン・ウィルカーは、今のところOFFFで一番面白い講演を提供してくれる2人だ。彼らの作品を楽しむ機会があり、音声によるポートフォリオや、プロジェクトを楽しむことができた。テープに録音された奇妙なプロジェクトでは、つまらなそうな声が、彼らの作品の構成や使われている色などを説明していた。
カールソンウィルカーによる、しゃべるポートフォリオ
カールソンウィルカーによるプレゼンテーションのクライマックスは、セルビアのカレンダーの作成依頼を受けたときの体験談だ。毎日一枚ずつカレンダーのページをデザインするという考えで12日間セルビアへ滞在した。しかし、そのプロジェクトのセルビアでのインパクトについて全くの想定外だった。オフィシャル・レセプション、ラジオやテレビのインタビュー、ガイドツアーなど、カメラがどこにでも追いかけてきたというのだ。とても楽しかった話に加えて、ヒャルティとヤンは、どれだけ資源が乏しくても、極めてクリエイティブであるということの素晴らしさを披露してくれた。
アンディ・キャメロンとレジーヌ・デバティ
ステージの上にいるのは、アンディ・キャメロンとレジーヌ・デバティ。アンディは1994年にロンドンのアンチロムを共同設立し、現在はイタリアのトレビゾにあるベネトン・リサーチ・センター、ファブリカのクリエイティブ・ディレクターだ。レジーヌ・デバティは、自身のブログ「we-make-money-not-art.com」やイギリスの「アート・レビュー」誌において、アートとデザインとテクノロジーの交わりについて書いている。このカンファレンスはもともと、レジーヌ・デバティによるアンディ・キャメロンのインタビューという形をとっていたが、最終的にはアンディのプレゼンテーションの場となった。
安藤忠雄によるファブリカの美しい建物を紹介したアンディは、ファブリカでのインスタレーション作品を披露しながら、アート作品の一部として観衆を取り込むことのリスクについて説明した。『結果は陳腐で、こっけいで、つまらないかもしれないが、同時に素晴らしい。インタラクティブアートは大それた声明を発表するためのものではなく、それはもっと、匂いとか、感触とか、感覚を伝えるものなのだ』と。
最後のアンディの発言に、レジーヌは失望の色を浮かべているようだった。彼女は、ユーザーにとっては、ほとんどのインタラクティブなインスタレーションと関わりあうことが、ただ楽しいというものなのだとも感想を述べた。インタファクティブなインスタレーションが、それを見ている外部ユーザーを楽しませているのは、彼女にとっても楽しいことだ。
残念ながらインタビューの時間はあまり残されていなかったが、もし興味ある人は、こちらを是非チェックしてほしい。
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