OFFFフェスティバル 2008

HAPPENINGText: Eduard Prats Molner

OFFF 2008
「ルーピア」(左)と「オープン・ルーム」へのアクセス

ホセ・ルイ・デ・ヴィセンテ司会によるザ・データ・ビジュアライゼーションのパネルでは、ベスティアリオのサンティアゴ・オーティス、アーロン・コブリンマニュエル・リマらの作品が披露された。ホセ・ルイのイントロに続き、マニュエル・リマが彼のプロジェクト「ビジュアル・コンプレクシティ」の発表をした。それは、複雑化したネットワークを可視化することに興味ある人の為の統一された資源スペースだ。

サンティアゴ・オーティスはベスティアリオの新ウェブサイトや最近のプロジェクトを紹介。ベスティアリオは、フラッシュを使って複雑なデータを視覚化したインターフェイスを作り、ウェブに掲載。アーロン・コブリンは、人間のシステムを創造し視覚化することに焦点をあてたアーティストであり、デザイナーであり、リサーチャーである。彼は「羊市場」や「10,000セント」といった素敵なプロジェクトを発表した。そのどちらもアマゾンの「メカニカルターク」を利用し、作業してできたドローイングだ。その作業の全貌を知らずして、「左向きの羊」を書いた人には(アメリカドルの)2セントが、100ドル札の小さな一部分を描いた人には2セントが支払われた。その結果は、美術館やギャラリーで展示するまでに至り、販売もされている。実際僕もこの原稿を書いている間に、20頭の羊のブロックを購入した。

OFFF 2008
「メルカディージョ」テントの中

フェイクパイロットは、スウェーデン人のモーションデザイナーでディレクターのマティアス・リンドバーグの分身だ。東京での講演で、マティアスは彼の分身と紹介され、スピーチの前に一種のパフォーマンスを披露したそうだ。僕自身が本当に理解できているのかわからないけど、奇妙なビデオの中で、何人かの日本人をからかっているマティアスの変な態度。その実、披露している作品はとても古くさい感じだ。彼らの喰いものにしている感じなど不愉快で、今まで7回も愛すべきOFFFの特集をしている中で、一番困惑するような経験だった。

OFFF 2008
アンドレアス・ミュラー「Hana」

アンドレアス・ミュラークリス・オシェアはインタラクティブデザイン・パネルでとても素敵なプレゼンを行った。アンドレアスが語った「Hana」は、美しい効果を伴って花を作り出すプログラムだ。これは「ショープレイス」での今年のOFFF展でも展示されていた。

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アレックス・トロシュによるタイポグラフィック・イラストレーション

今年のOFFFで、もしひとつ選ばなくてはならないとしたらアレックス・トロシュのカンファレンスを選ぶだろう。アレックスはバルセロナに拠点を置く、タイポブラフィ・デザイナーで、才能あるイラストレーターでもある。彼は腰が低く、彼のおじいさんの作品について触れる素敵なイントロからも、その様子が伺える。タイポグラフィの制作過程を披露し、ローリング・ストーンズ、ブリティッシュ・エアウェイズ、ビューティフル・ディケイ、ナイキ、チャンネル4、ディーゼルなどなど、数多くのイラストレーション作品を紹介した。制作過程をとてもわかりやすく説明し、面白いプレゼンテーションだった。彼は何度も拍手を送られていたが、本当にそれに値する人だ!

OFFF 2008
Hi-Res!による「モンスター・バーンアウト」

フェステバル2日目の最終はHi-Res!のプレゼンだ。フロリアン・シミッドは最新作をいくつか発表。とても印象深かった作品は、Mr.doobによる3Dフラッシュとペーパービジョンゲームのモンスター・バーンアウトだろう。

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