OFFFフェスティバル 2008

HAPPENINGText: Eduard Prats Molner

OFFF2008の最初のプレゼンテーションはタイポグラフィパネルだ。マルチプル・マスター・テクニックを使用してタイプフェイスを制作する過程を説明してくれたのが、ディノ・ドス・サントス(DSTYPE Foundry)。彼の素晴らしいタイプデザインを見ることができた。更に多くのタイプデザインを披露するフェリチアーノ・タイプ・ファウンドドリーが後に続き、「dynTypo」のプロジェクトやいくつかの実例の発表で幕を閉じた。「dynTypo」は、マルチメディア・アートシーンにおいてダイナミックでインタラクティブなタイポグラフィに興味ある様々なデザイナー、プログラマー、アーティストによるリサーチ及び作品集である。

OFFF 2008
「ルーツ」メインカンファレンスホールのスクリーン左

ノース・キングダムのプレゼンテーションはキャンセルとなってしまったが、エリック・ナッケが代わりに講演を行った。エリックは、数字によるペインティングや作品の中でどのように粒子系やリボンを使用するのかを語っていた。いつものように、エリックはとても話上手で、プロフェッショナルで、視覚的にも楽しめる素晴らしい演説を披露した。

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「チラックス」でもプレゼンテーションを眺めることができる

ランダム・インターナショナルは、ロンドンを拠点に活躍する集団。ピクセルテープ、ピクセルローラー、デジタル情報を描くペイントローラーなど、独創的でユニークなプロジェクトを展開している。彼らの作品のほとんどは、デジタルなものから着想したフィジカルなものばかりだ。

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側面にあるスクリーンを鑑賞する観客

トラフィックは、リヨンを拠点に活躍するグラフィックデザインとメディアスタジオで、タイポグラファー、グラフィックデザイナー、ソフトウエア開発者が参加している。彼らの講演の中で、主にインスタレーションに焦点をあてた見事な作品を楽しむことができた。Cベースのソフトウエア開発を行っているトラフィックは、スクリーン上で多くのグラフィックの動作をそつなく完璧に実現している。興味がある人は、アップルProにアクセスしてトラフィックをチェックしてみるといいかも。

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「シネキシン」ー フェスティバルのプロジェクション・ルーム

オール・オブ・アスは、ロンドンを拠点として活躍するインタラクティブデザイン・コンサルタント。多様なプロジェクトのインタラクティブ戦略開発を行っている。彼らは、大手エージェンシーとの仕事を辞めることに決めたと説明。段々と規模の小さい、異なる状況で仕事できるようなプロジェクトを展開しているようだ。

ロンドン科学博物館のために開発した興味深い2つの教育プロジェクトを見ることができた。その内のひとつは、大きなアインシュタインの頭を上にのせた自転車に乗りコントロールするゲームのようなもの。ユーザーは、アインシュタインの頭の中へ入り、ペダルを踏みながら、比喩的にアインシュタインの思考をナビゲートする。オール・オブ・アスの講演はインスピレーションについて語り終了した。彼らは、深澤直人の素晴らしいプロダクトデザインに影響を受けたそう。自然にテクノロジーやインターフェイスと共に成長し、それを理解している次世代を行く子供たちは、すごい事をやってのけるだろうと信じているそうだ。

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ジョシュア・デイビスとランダム・アシスタント

全てのカンファレンスを見て回ることはできないから、今年は著名人のものは見ないことに決めた(彼の講演は何度も聴いているし)。そう、ジョシュア・デイビスについてはレジーヌ・デバティによるレビューのほうがずっといい。OFFFでのジョシュアのインスタレーション「ランダム・アシスタント」には、すごい数の参加者が駆けつけた。

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サイヨップによるアブソリュート・ウォッカ

ニューヨークを拠点にアニメーション・デザインスタジオを展開するのは、サイヨップだ。アブソリュート・ウォッカ、アディダス・オリンピック、コカコーラなどのモーショングラフィック作品でのクリエイティブな制作行程の実態を明かしてくれた。

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