BLESS(ブレス)
PEOPLEText: Peta Jenkin
ビジネスパートナーである、デジレ・へイスとはどのようにして会ったのですか?
私はハノーバーで勉強をしていて、デジレはウィーンにいました。私たちは1年ほどペンパルをしていたのです。ついに出会うことができて、沢山の共通点もあり、とても上手くやっていけることに気付きました。2人とも、何か有名なファッションの名前のために働くという、インターンシップに従っていくことや、ただ「有名」になってストレスをためるようなことは、ごめんだと思っていました。
私が通っていたハノーバーのファッションスクールは、物事の実用的な面に焦点を当てていました。デジレの学校では、ヘルムート・ラングが教えていたので、彼女はより方向付けられたコンセプトを学んでいました。つまり、2人は共通のアイディアを持っていたけれど、全く別々の方法で教育を受けたわけです。それをコラボレーションすることで、それぞれの技術をもちこむ結果になりました。
それに、私たちは2人とも南ドイツの出身で、同じような中流階級のバックグラウンドを持っていたので、ビジネスに対しても同じような物の見方をしたのだと思います。
BLESSという名前の由来は何ですか?
ただ聞こえが良かったからです。シンプルで、読みやすいでしょ。
BLESSの最初のプロジェクトについて教えて下さい。
最初のプロジェクトは実験でした。最初のピースである「サントップス」をフィーチャーしたフォトコラージュに、電話番号とBLESSの名前をつけて、そのコピーをベルリンの街中に貼りました。これはテストのようなもので、みんながストリートに貼られたものに反応を示すかどうか知りたかったのです。そんなに期待してなかったのですけど。
BLESS debut ‘Suntop’ and Photo-collage, 1996
そしてその通り、いくつかの変な電話しか受けなかったので、一年後、色々なファッションマガジンの広告ページを購入することに決めました。それには3つの反応があったのです。スキーの時に使うファー・ウィッグが欲しいと言うスイスの女性と、とても興味を持ってくれたパリコレットのマネージャーと、そしてキャットウォークショーに使いたいというマルタン・マルジェラです。
BLESS 00 – ‘Fur Wigs’, 1996
マルタン・マルジェラの最初の依頼はどうなったのですか?
彼には、ショーのためにファー・ウィッグをいくつか作ってくれないかと頼まれました。それに一緒に仕事をする上でとっても素敵な人でした。経験が少なすぎると感じた当時は、少ない時間に本当に沢山のことをやらなくてはならなかったし、とても堅い契約にサインをしなければならなかったれど、結局全てがうまくいったのです。
ビジネスを立ち上げるに際して直面した問題はなんですか?
私たちは立ち上げた頃、2人ともビジネスに関しては世間知らずでした。ビジネスや金銭のやり繰りについて、全く手掛かりというものがありませんでしたが、スタイリングや他の仕事をしたり、毎月BLESSプロジェクトのためにお金を溜めたりすることで、ゆっくりと色々なものをを積み上げていくことができたのです。実際に結果が現れるまで、努力を注ぎ込んで約3年かかりました。私たちの母親も会計を手伝ってくれたりしたのですよ!
アイディアはどのように湧いてくるのですか?何か特別な方法がありますか?
アイディアはただ湧くだけです。何か思いついたら、ただやるのです。それよりも、やり方を自分で学ぶべきか、それとも誰かに助けてもらうかなど、アイディアを現実化することに悩んでいます。「できます」という状態にはならなくて、ただ乗り越えていくのです。私たちは、これまでに誰も思いつかなかったものをみなさんに経験して楽しんでもらえるような、高いクオリティーの限定版アイテムをリリースしています。
BLESS SHOP BERLIN
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Text: Peta Jenkin
Translation: Yurie Hatano
Photos: Courtesy of BLESSBLESS