BLESS(ブレス)

PEOPLEText: Peta Jenkin

これは、二つの素晴らしい思想が合致した珍しい例である。共にドイツ出身であるデジレ・ヘイスとイネス・カーグが手を組み、1996年に独創的なファッションレーベル、BLESS(ブレス)を結成した。それは、世界中のメディアやインスティテューションの強力な中心核を通じて、国際的に喝采を浴び始めている。

BLESSのアプローチは、ファッションにおける可能な限りの「アート」を追求したコンセプトとの評価を受けることが多いが、オブジェクトの機能を、アシストしながらも壊したりするという体験的な構成を用いて、衣服やアクセサリーが作られているという科学的な要素も見受けられる。

そのどちらの要素で評価しようとも、BLESSのオブジェクトは常に強い意志を訴え、彼らの仕事を経験する喜びに変える、遊び心たっぷりのデザインにそのクオリティが表れているということである。


BLESS Beauty Product – ‘Hairbrush’, 1999

彼らの最初のピースである1999年の「ヘアブラシ」は、ヘアブラシが文字通りそのままの「ヘア」ブラシであるという、遊び心たっぷりの要素を持つ。好奇心と反感の入り交じった感情を人々に抱かせながら、それは面白くもあり、同時に落胆もさせる。そして、機能を全て取り払い、ただコンセプトを探究することを楽しむというアプローチに見事に反映されている。


BLESS No. 12 – ‘Bed Sheet – Couple’ from the ‘Team-Ups’ Series, 2000

寝ているカップルがリアルにプリントされた白いベッドシーツである、「ナイス・メモリーズ」とのコラボレート作品、「ベッドシーツ」にも、似たような感情的な反応が呼び起こされるものだ。

BLESSがファッション界の「一般水準」以内におさまらないファッション・オブジェクトを作り出すにも関わらず、衣服やアクセサリーの関係者が率先して、喜んでコラボレートをしたがるというのは、面白いことだ。


BLESS No. 10 – A selection of scarves, 2000. All clothing was donated by the various retail companies.

BLESS No.10では、H&M、カリフォー、レイヴィスなどの有名なファッションレーベルの衣服の生地を切り分けるというリミックススタイルのアプローチを取り入れ、それらをスカーフに再構成している。

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