IDN マイ・フェイバリット・カンファレンス 2002

HAPPENINGText: Mlee, Wing Yu Yeung

IdN フレッシュ・カンファレンスがシンガポールで開催されてから早5ヶ月。IdNによる大規模なデザインカンファレンス、その名もマイ・フェイバリット・カンファレンスが、9月14日と15日に渡って香港で行われた。IdNマガジンの10周年記念も兼ねたこのイベント。香港ビジネス・オブ・デザイン・ウィーク期間中に開催され、これまでにIdNが行ってきたカンファレンスでは見ることがなかった新発展を望むことができた。

これまでのカンファレンスで紹介されてきたプレゼンターは主に、ウェブデザイナーやグラフィックデザイナーなど。しかし今回世界中から招待されたクリエイターのデザインフィールドは、実に様々である。


Devil Robots

まず初日を飾ったのが東京を拠点に活動を展開するデビルロボッツ。「デビルロボッツ・シアター」というショーを披露。デビルロボッツは、キャラクターデザイン、イラスト、モーショングラフィック、そしてウェブデザインなどを主に手掛けるデザインチーム。キタイ・シンイチロウ、ヨシムラ・ヨシゾーがショーを展開。ブロークン・イングリッシュと笑いを誘ってしまうジェスチャーを交えながら、彼らの代表作「トーフ親子」の歴史と哲学を紹介。シンガポールで行われたカンファレンスでも、素晴らしい発表を行ってくれたデビルロボッツは、今回も地元オーディエンスのハートをしっかり掴んだようだ。自らの事を「デザイナー・コメディアン」と呼ぶだけのことはあるグループだ。

デビルロボッツの後に登場したのは、イギリスのトマト。ビョークの世界規模のプレスキャンペーンや、最近ではイッセイ ミヤケのキャンペーンを手掛けたことで有名なスタジオだ。デザイン産業におけるデジタル革命についての彼らなりの意見を発表。このデザインスタジオの背後にある、トマト独自の哲学を感じることができた。


James Jarvis

またイギリスからは、ビルドのマイケル・プレイスとニコラ・ウェストコットも参加。オーディエンスを幻想的なビジュアルの旅へと誘ってくれた。ショー・スタジオのペニー・マーティン、ポール・ヘザーリングトン、ダニー・ブラウンは、目を見張るような素晴らしい作品をいくつか披露。イラスト界のスター、ジェームス・ジャービスはライブ・ドローイングを行い、彼のコミックワールドにおけるクリエイティブなアイディアについて語ってくれた。


Hideki Inaba

+81」、「SAL magaizne」、「ガスブック」など、多くの日本の雑誌にデザインを提供している稲葉英樹は、地元デザイナー達にとってもアイコン的な存在だ。編集とパッケージデザインについての彼のプレゼンテーションが行われた会場は超満員状態。

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