香港 アート・ビエンナーレ 2003
香港にも、他地域でも行われているような未発掘のローカルなアーティストに表現の場を与え、育てるという目的のもと開かれている展覧会がある。香港アート・ビエンナーレは、誰でも参加可能なコンペティションから選ばれた作品の展覧会だ。
1975年に始まったこの展覧会。今年は、SARSの猛威の直後に開催されたため、展覧会自体にも特別な意味合いが込められ、応募作品にも、SARSの悲劇を表現したものが多く見られた。一方でその悲劇は皮肉にも、様々な作品形態やアーティストが集まり、アイディアが交換され合う機会ともなった。
入賞作品も含めた、全ての展示作品は、国内外の審査員により選出された。審査員の顔ぶれは、国内から6人、海外から6人という構成だった。彼らは、応募作品の審査や選出以外にも、香港のアートシーンについて意見を交わしあい、展覧会を訪れた人は、香港の現代アートカルチャーの概要を深く知ることができたようだ。
この展覧会は、主に3つのパートに分かれている。一つは、中国の伝統的なアート作品で、中国特有の絵画やカリグラフィーの部門。他の2つでは、インスタレーション、ミクドメディア、映像、インタラクティブなどが見られた。さらに、これらの作品は、香港アートシーンの最大の特徴とも言える、中国と西欧文化の融合を表現しながら、また同時にアーティスト自身の熱意が表れていた。
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