デザイナーズ・リパブリック

PEOPLEText: Mayumi Kaneko

今月のカバーデザインを制作してくれたのは、もはや説明不要のイギリスのデザイナーズ集団、デザイナーズ・リパブリック(以下DR)。シンプルだが斬新なグラフィックで、毎回いろいろな表現を打ち出してくるDR。彼らが90年代のグラフィックデザインに与えた影響は非常に大きい。間違いなく90年代を代表するグラフィック集団の一つだろう。

ゲーム「ワイプアウト」のグラフィックや数々のテクノミュージックのジャケット制作などで独特のスタイルを確立している彼らに、最近の活動やDRの今後の展開などについて、いろいろとお話を伺いました。

はじめに自己紹介をお願いします。

イアン・アンダーソン。デザイナーズ・リパブリックの創設者です。

デザイナーズ・リパブリックはどのようにして設立されたのですか?

ロンドンのばかばかしいシーンに対する激しい戦いと勝利の結果としてデザイナーズ・リパブリックが設立されました。「正しいこと vs 悪いこと」、善と悪の戦いです。

最近手がけているプロジェクトについて教えてください。

POWERGEN、WARP 10、WARPの新ウェブサイト、イッセイ・ミヤケファッションショーのインビテーションとOVAL#5、サトシ・トミイエ、GATECRASHER、SMARTIES、BED、ACTION SPECTACULAR、WIPEOUT3、WIPEOUT3.COM、スロベニアの建築家SADARと共同で本の制作、CAMPAG VELOCET、MURRAY & VERNのカタログ、BOOTH-CLIBBORN EDITIONS刊の「デザイナーズ・リパブリックの世界」、THE PEOPLES BEREAU カスタマーインフォメーションでのDR商品サービス、DEEP DISH、ベルギー、ハッセルトでのDR展覧会、資本主義の没落、PLATIPUS RECORDSの新アイデンティティー、REACT 10、SUPERGRASS、TELIA(スウェーデン)。

デザイナーズ・リパブリックが90年代のグラフィックデザインに与えた影響は非常に大きいと思うのですが、デザインを通して伝えたいことは何ですか? 

コミュニケートし、対話を創り出したいと思っています。メッセージは作品そのものの中にあり、それが何を伝えるのかを感じるのは、あなた自身です。メッセージを見つけてください。

現在のUK、ヨーロッパのグラフィックシーンの状況をどう思いますか?

あまり考えていません。私達は、私達自身の経験のためのフィルターであって、他の人達のクリエイティブ性のためではないのです。独創性がなく、自分自身を信じるよりも他人の言うことを信じ、ソフトウェアやプラグインを通して他人のクリエイティブ性に隷属し、ミレニアムに何かが起こるのを期待している人が多すぎます。クライアントの意見を聞きすぎるデザイナーもすごく沢山います。

作品を制作するうえで心掛けていることは何ですか? また今後、THE PEOPLES BEREAU上でTシャツやポスター、本などを展開して行くそうですが、コンセプトなどがありましたら聞かせてください。

DESIGN OR DIE(デザインか死か)。

今回、SHIFTのカバーデザインを制作していただいたのですが、何をイメージし、どのように制作したのですか?

コンテンツのコンテンツとしてのスタイルと機能。

日本のグラフィックデザインについてはどう思いますか?

日本のグラフィックデザインには、ハイテクが楽しいおもちゃとして使われていて、取り付かれることを恐れていないように思います。

好きなビジュアル/グラフィックデザイナー/サイトを教えてください。 

MVRDV: New Nature:建築より壮大なビジョンを持ったオランダの建築家集団
Dextro / Turux:オーストリアの4Dソフトウェア海賊版
EbOY:ラブリーなピクセル

最後に今後のプロジェクトについて教えてください

今後のプロジェクトは、全てPHO-KUコーポレーションでリサーチ/発展段階です。

将来は、家具、インテリア、エクステリア分野を展開し、世界を征服します。



The Designers Republic

www.thedesignersrepublic.com

Text: Mayumi Kaneko

[Help wanted] Inviting volunteer staff / pro bono for contribution and translation. Please e-mail to us.
MATZ(マッツ)
MoMA STORE