ジゼッラ・リフシッツ
PEOPLEText: Taketo Oguchi
SHIFT創刊初頭からコントリビューターとしてブエノスアイレスのカルチャーを紹介し続けてきたジゼッラ・リフシッツ。コラージュによる挿絵を中心にブエノスアイレスで作家活動を行っている。この度、「星の王子さま」のアルゼンチン初の翻訳本出版の挿絵を手がけたということで、本についてとこれまでの活動について伺った。
まずはじめにお礼を言いたいと思います。あなたはSHIFT創刊初頭からコントリビューターとしてブエノスアイレスのカルチャーを紹介し続けてきました。本当にどうもありがとう。20年前と比べブエノスアイレスの街やあなた自身の生活に変化があったと思いますが、まずはあなた自身について教えていただけますか?
タケトさん、どういたしまして!長い間SHIFTのコントリビューターをできてとても光栄に思います。はい、その当時から比べると多くのことが変わったと思います。私は描くことを始めると同時に共同プロジェクトであるプロジェクト・ヴィーナスに積極的に参加し始めました。これは、ヴィーナスという独自通貨に基づいたアーティストと専門家のための交流プラットフォームです。約6年所属していましたが、SHIFTとヴィーナスの両方がその瞬間ごとの私の人生の道を形作っていたと思います。その後、写真、コミュニケーション、デザインの分野で働き始め、2010年には特にコラージュ技術を使ったプラスチックアートを手がけるようになりました。アトリエやアートクラスに行ったり、いくつかのグループ展に参加したりや個展を開くなど、本当に夢中になっていました。アートフェアやいくつかのグループにも参加するうちに、自分のアートが私にとってますます重要だと実感するようになりました。2012年になり、私をとても幸せにさせてくれる大好きなもの、それは間違いなくイラストレーションだということに気づきました。私の人生のまったく新しい章の始まりです。それ以来、私は雑誌、本、アルバムのイラスト、そしてこの美しく新しいプロジェクト「星の王子さま」を手がけることとなりました。
El Nene Principito
では、ブエノスアイレスの街についてはどうでしょうか?20年の間でどのような変化がありましたか?
ブエノスアイレスは私にとって対比を感じさせる国です。たとえ社会的、財政的な状況が支持してくれなくても、文化、芸術の分野は常に力を持ち、生き生きとしています。ここ数年、ビセンテ・ロペス、ボエド、パレルモ、レコレタでのイラストレーションのフェアに参加することができました。また、アーティストのアトリエが集まるオープンスタジオイベント、ラ・グラン・パターナルに自分のエリアをオープンしました。私にとってとても挑戦的であり、意義深いものでした!これまでの20年間、ブエノスアイレスは常に人々が集まり、美しいものを一緒に作る場所でした。それがこの街の真の核心です。人々は集い、行動し、大小を問わず変化を起こします。変化が起こることで都市、そして私たち市民は、現実の、または非現実のあらゆる障壁を乗り越えることができます。
ブエノスアイレスは日本とは地球の裏側なのでとても遠く感じますが、あなたのコントリビューションのおかげで、ブエノスアイレスは一生の内で是非一度は訪れてみたい街になりました。日本から私たちが行くとすればどの季節が良いでしょう?また数日滞在するとしたら、どこへ連れて行ってくれますか?
ブエノスアイレスに来るのに最適な季節は、寒すぎず暑すぎず、木々の色づくとてもいい季節、4月から5月または9月から10月などの春と秋です。街のリズムを知って体感するために、少なくとも2週間は滞在することをおすすめします。アグロノミア地区のラユエラバー、コレヒアレスの書店ファレナ、漫画にフォーカスしたパテルナルのビニェタス・スエルタス、エル・シッドの像からほど近いフェレイロピザ、ボエド地区のロ・デ・ロケ、 ビジャ・ウルキーサやカバジートなどのきれいな通り(ティパスのツリートンネルのある美しいペドロ・ゴイエナ通り)、それにチャカブコ公園のカッフェラタ地区、サアベドラやアグロノミアの素敵な公園、コグランとベルグラノ・レジデンシャルの完璧なスポットなど、私が見つけたあまり知られていない隠れた名所にご案内します。
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