茨城県北芸術祭 2016

HAPPENINGText: Tomohiro Okada

賑やかさを過去にみせていた山間の学校、その中に少年の頃のわくわくした気持ちを感じさせたくれたのが、この地域にある科学技術で名高い筑波大学で人間の意識に訴えかける表現技術「デジタルネイチャー」の研究チームを率いる落合陽一のプロジェクト。

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落合陽一「コロイドディスプレイ」, 2012/2016年  提供:茨城県北芸術祭実行委員会

理科実験室に貼られた幕の向こうにある漆黒の闇に、ストロボで照らされた無数のしゃぼん玉に包まれる「モナトロジー」、教室に置かれた同じくしゃぼん玉でつくられた薄膜に映像を映すディスプレイに映し出される蝶の姿。彼らが取り組む、物理現象を利用した表現の姿が、山間の校舎での学びの場という演出の中で映えてゆく。

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magma「WOODSTOCK」2016年

学校でのドキドキする気持ち。その感覚を呼び戻してくれるのが、magmaによる電気仕掛けのクラフト感覚あふれるインスタレーションたち。校長室では、木彫りでできた先生が光の点滅で昂らせながら訓示を与え続け、厳しさの中で滑稽さを探る子供ごころを覚ませてくれる。教室には音楽のテンポとともにイルミネーションがテンションをあげてくれる、ラジカセか往時のステレオコンポを彷彿させるサウンドセットが、イケてる気持ちにさせてくれる。
この山間の廃校は、私たちを十代の頃の「行きたい」学校の気分を思い起こしてくれたのだ。

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三原聡一郎「空白のプロジェクト#3 – 大宇宙(うちゅう)の片隅」, 2013-2016年

自然と科学との間を表現する手法として、新たにバイオテクノロジーを用いた表現「バイオアート」という領域がうまれてきている。この芸術祭で、特にフォーカスした文化のひとつである。三原聡一郎は、土壌に存在する微生物で発電する技術を用い、自然の気配を感じることを美術表現として試みた。この地域の苔を用いた球体をつくり、この新たなエネルギーを用い、不意に地面を転がる作品をつくり出したのだ。

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