アートフェア札幌 2014

HAPPENINGText: Hanae Kawai

また、ハナアグラから出展していた若手人気アーティストの米澤卓也は、13階踊り場にてライブドローイングを披露。カラーペンと鉛筆を駆使し、約16時間かけて完成させた。アボカドやティッシュの雲などユニークなモチーフをベースに、今回のアートフェアにちなんで、それぞれのモチーフに額をあてがいポップに描きあげた。

アートフェア札幌 2014
[アートフェア札幌2014 特別企画] 米澤卓也 ライブ・ドローイング

そのほかにも、今回出展は無かったものの、北海道を代表する作家であり今年札幌文化奨励賞も受賞した澁谷俊彦の最新インスタレーション「クロスウィンドII」がエントランスに展示された。光を放ちながらまるでサンゴのように動くこの作品の前に、立ち止まって写真をとっていく来場者や通行人が多く見られた。

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[アートフェア札幌2014 連携企画] 澁谷俊彦「クロス・ウィンド II」

さらには、24日には、宇宙初ポエムコア・アイドルとして国内外からも注目を集めつつある「owtn.」(おわたん)のライブが開催。いつもとは雰囲気を変え、アユミミツカネの衣装を身にまとって登場し、その日リリースの最新EP「ワニの棲息地」からの2曲を含む全7曲を披露した。新曲は今までの幻想的なメロディと吐息のような声とは違い、はっきりとした音色の楽曲に強気な口調が印象的だった。

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[アートフェア札幌2014 特別企画] owtn.(おわたん)ポエムコア・ライブ・パフォーマンス

アートフェア札幌は、道外のアート作品をお手頃に観せるだけの場ではない。前述のフレンチレストラン「ル・ミュゼ」の協賛や「スノージュエルズ」のトマトジュースの試飲が行われるなど、道外の出展者や作家、また来場者には、北海道の食や自然とアートのコラボレーションを楽しんでもらえる機会であり、道内アーティストにとっては、道民に、または道外に、世界に、アピールする場でもある。北海道の文化や魅力を発信できる良いプラットフォームになっているのだ。

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[アートフェア札幌2014 特別企画] クロストーク「アートフェアの楽しみ方」

23日には、アートフェア札幌2014出展ギャラリーのディレクター陣による「クロストーク」が開催。トークゲストに戸塚賢太郎(hpgrp GALLERY TOKYO)、宮下和秀(MUG)、鈴木一成(ギャラリー アウト・オブ・プレイス)三名のギャラリストを迎え、国内外のアートフェアの紹介や、アートフェアを楽しむ方法について紹介。

3人全員が強調して言ったことは、『国内でも、世界でも、アートマーケットは発展途上であり、今後はいかに普段アートに触れていない人に観てもらうかというのが課題』だということ。そして、普段アートに触れていない人にとってアートフェアは絶好の機会であるということ。

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