シュゥン

PEOPLEText: Zhang Chu

日常と非日常の間に潜む生き物とその世界をモチーフに絵を描き出すSHUUN(シュゥン)。圧倒されるほどの多彩な色遣い、可愛さと怖さ、愛嬌と不気味さを併せ持った生き物、緻密さと大胆なユーモラスを交えて描き出されるその世界は、観る者を強烈に惹き付ける。作品同様に謎に満ち、初の個展を目前に控えた作家にインタビューを行なった。

shuun

自己紹介をお願いします。

北海道に住んでいて、SHUUN(シュゥン)という名前で絵を描いています。

今までどのような活動をしてきましたか?これまでの活動と最近の活動など教えて下さい。

学校卒業後はデザイン会社に籍を置き、ひたすら仕事をしつつ、2010年頃から本格的に絵を描いて、気に入った物はホームページのSHUUN.MEに掲載していました。最初の頃はほぼ全部デジタルで描いていました。誰かに学んだとかは無く、思うがままに描いています。
2012年に現在所属しているクラークギャラリー+SHIFTと出会い、クリエイティブ北海道というプロジェクトでいきなり海外で作品展示をして頂きました。
現在、クロスホテル札幌で開催されている展覧会「MUSIC」での展示や、札幌芸術の森美術館ミュージアムショップで開催中の企画展「星の風景」に出品してます。

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Playboys, Shuun, 2011. 544 x 726 mm, Giclee print on photographic paper

SHUUNさんは日常と非日常の間に潜む生き物とその世界をモチーフに主にデジタルで描いていますが、これらを描くようになったきっかけを教えて下さい。

小さな頃から、一人で悪戯描きばかりしてすごしていました。少年の頃、流氷の音がミシミシ聞こえる海沿いに住んでた時の僕の友達は、家とおじさんの店で飼っていた犬五頭でした。ほとんどをその犬達と、店の前に広がる冷たい海や裏の森で過ごし、いつも自分と犬達を中心に身の回りの物や動物を擬人化して想像していました。木や虫や葉っぱや犬達にやった残りのえさをあげていた鷲や鳶、白鳥、カモメ。おじさんの店の生け簀から脱走したがる、大きな蟹達。雪、砂浜に流されてきたゴミや石や空き缶。死んだ魚とか灰色の海の向こうのよくわからない山々とか。あとは目がとても悪いので、遠くのよくわからない物には勝手に姿を決めつけて、絵を描いたりしていました。いつのまにか自分の描く物と言えば、自分の中でそれが当たり前のようになっていき、その生き物達に自分の心持ちを預けています。

2012年より本格的にキャンバスへのペインティングを始めたそうですが、キャンバス作品とデジタル作品での創作の違いは何かありますか?

単純に大きいキャンバスは体力も場所もお金も使いますが、デジタルだけだとそうでもありません。あとはキャンバスの際もデジタルを使うのであまり違いを考えず、同じ作業のなかのひとつだと思っています。

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Miiko to Chiiko, Shuun, 2012. 1,000 x 1,606 mm, Acrylic on canvas

作品をいくつかご紹介ください。

「ミーコとチーコ」というタイトルは子供の頃親戚のおばさんの家にいた母子の猫の名前です。2012年のクリエイティブ北海道にこの作品で参加させて頂きました。アナログでここまで大きいのを描いたのは初めてでした。とても暑い夏の良い経験です。

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