ナンズカ・アンダーグラウンド

PLACEText: Naoko Kawaguchi

2005年10月、ビデオディレクター、VJなど多彩な活動で有名な宇川直宏と、気鋭クリエイターグループ、他社比社との共同経営によるクラブ付きオフィス、Mixroofficeとともにオープンした渋谷のコンテンポラリー・アートギャラリー、NANZUKA UNDERGROUND(ナンズカ・アンダーグラウンド)。

NANZUKA UNDERGROUND
Tomoki Kurokawa “SANAE” 2008. Neon Cube, 1300 X 600 mm

渋谷駅東口から徒歩5分ほどの好立地に位置しながら、大通りから一本路地に入ったその地下ギャラリーは、どこか渋谷の喧噪地帯から逃れられた秘密基地にたどり着いた気分になる。

オープン当初より先出の宇川氏をはじめ、田名網敬一MUSTONE黒川知希など、ストリート色の強い新鋭アーティストを次々と取り上げてきた同ギャラリー。アートスペース/クラブとして、東京のクリエイティブコミュニティーをリードする発信基地となり、感度の高い人々を中心に着実な人気を得てきている。昨年9月には上海の現代アートフェア、ShContemporary 2007に初進出を果たすなど、海外での評価も高めてきている。

NANZUKA UNDERGROUND
Tomoki Kurokawa, (Left) “Continue?-Yes!” 2008. Acrylic Painting on Canvas, 2250 x 1440 mm (Right) “Youth” 2008. Acrylic Painting on Canvas, 2375 x 3000 mm

また今年3月には共同オフィスであった「Mixrooffice」が閉鎖となり、それに伴いギャラリーも、事実上の規模拡大となるリニューアルオープンを実施。メインのギャラリースペースは以前のおよそ2倍まで増床したが、世界初のクラブ付きオフィスというアバンギャルドなコンセプトで人気を得ていたMixroofficeのクローズには、多方から惜しまれる声も多く聞かれたという。

NANZUKA UNDERGROUND
Tomoki Kurokawa “Save/リセットボタンを押しながら電源を切って下さい。” 2008.
Acrylic Painting on Canvas, 1583 x 2000 mm

現在は黒川知希のデビュー個展を開催中(2008年7月27日まで)。『デートコースの一つとして、カップル達にふらっと寄ってもらいたい』 同ギャラリーのディレクター兼、オーナーの南塚真史氏はそう語る。

渋谷発のこの地下空間から近い将来、新時代を切り開くアーティストがどれだけ発掘されていくのか…。表現者(アーティスト)と感受者(表現を感受して育む人)のコミュニケーション・スペースとして、今後の活動がますます注目されるだろう。

NANZUKA UNDERGROUND
営業時間:13:00〜20:00(土・日曜日 11:00〜18:00) 
休廊日:月・火曜日
住所:東京都渋谷区渋谷2-17-3 アイビスビルB1F
TEL:03-3400-0075
https://www.nug.jp

Text: Naoko Kawaguchi
Photos: Courtesy of NANZUKA UNDERGROUND © Tomoki Kurokawa

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