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第17回 文化庁メディア芸術祭

HAPPENINGText: Noriko Yamakoshi

4つに分けられた部門それぞれの作品群を辿ってゆくうちに、時にメディアアートのバックボーンのひとつである「テクノロジー」というキーワードを忘れ、そこに表現されている「想い」に埋没してしまう思いにかられた。今回一つの傾向として多くみられた既存の映像や様々なオープンソースデータを収集し羅列する作品は、結局「個」の再認識に立ち戻らせる。

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「アートがもたらす世界の捉え方 01~アートから、世界を知覚化する」トーク終了後風景
左から 岡部あおみ、カールステンニコライ、三原聡一郎、高谷史郎

アート部門新人賞を受けたラオ・ホチィ(香港)の作品「ラーン・トゥ・ビー・ア・マシーン︱ディスタントオブジェクト #1」も生身の身体無くしては成立しない仕組みを提示することで、触れ合うことのないインタラクティビティや現在の私達を取り巻く環境への批評性を表現している。記憶を繋ぎ、テクノロジーを内包しながら覚醒を促し進化し続ける「現在」芸術としてのメディアアートは、見えないものを可視化・可聴化・透明化することで、見る者に気づきのトリガー(きっかけ)や意識の転換を与えている。

テクノロジーと人間性のバランスの中で、メディア芸術が今後どのような気づきの機会を与えてくれるのか。共に歩み「今」に立ち会いながら、その新たな展開を楽しみにしたいと思う。

第17回 文化庁メディア芸術祭
会期:2014年2月5日~16日
時間:10:00〜18:00(金曜は20:00まで)
   ※開館時間、休館日は会場によって異なります
会場:国立新美術館、東京ミッドタウン、シネマート六本木他                     
住所:東京都港区六本木7-22-2
観覧無料
TEL:03-5459-4755
http://j-mediaarts.jp

Text: Noriko Yamakoshi

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