ローラン・フェティス
PEOPLEText: Jerome Lacote
「GRID5」という展覧会をスタートさせたOFR SYSTEMとR-PONS。この展覧会がローラン・フェティスについてのものだと知ったのが、彼らに会いに行った時。そういった訳で今回はローラン・フェティスへインタビューが実現した。
自己紹介をお願いします。
ローラン・フェティス。グラフィック・アーティストです。
どのようなバックグラウンドをお持ちですか?
自分のスタジオを始めたのは、まだ学生の時でした。学校を卒業したのが1999年。以来、いろいろなプロジェクトに携わってきました。
普段はどのようなものから影響を受けていますか?
他のクリエイターの人たちとのコラボレーションが普段の仕事の形態なので、彼らとのディスカッションから影響を受けたりします。
仕事はどうですか?
この仕事は、コミッショナーとの終わりのないやりとりだと思っています。だからこそ、いつもと同じ仕事の日、というのがない。最近、オフィスに新しい空間を作ったのですが、これは完璧に、フォーマルなリサーチを行うエクペリメンタルなプロジェクトの際に使用される空間で、現在行っているプロジェクトでも早速使っています。この調査部は、かねてからいつかは作りたいと思っていたもので、ここでは今まで思いつかなかったような新しいクリエイティブなステップを見い出すことができます。そのステップから得られたエクスペリメンタルな作品は、OFRの展覧会で見ることができます。
近況について教えて下さい。
ディ・ゲシュタルテンから発行の「ABC+」という本をちょうど完成させたところです。この本には、ショースタジオにデザインしたTシャツも掲載されています。また、フランス人デザイナーのエルワン/ロナン・ブルラックの本のデザインも完成させました。ローマン・コッポラ監督作品「CQ」では、グラフィックデザインとタイトルを担当しましたが、この映画は近い内にヨーロッパと日本で公開されると思います。
現在はどのようなプロジェクトを行っていますか?
スタジオ全体として今は、音楽の仕事に力を入れていて、ベック・ハンセンのツアーポスターや、前述の「CQ」のサウンドトラックのヨーロッパ版ジャケットデザインを制作しています。最近完成したのは、タヒチ80の新しいジャケットで(アーティストのエリザベス・アークヒポフとのコラボレーション)ですが、その他にも多数手掛けています。次はウェブサイトを制作する予定です。このような仕事で先月は本当に忙しくてサイトにはまったく手を付けられなかったのですが、新年には、サイトも新しくて、重要な存在になればいいと思います。
今日のクリエイティブについてどう思っていますか?
音楽界にはものすごくフレッシュな波が来ているな、という気がします。音楽を制作する過程において、更にエクスペリメンタルで、フレッシュな波です。でもこれは、音楽界だけではなく、他のクリエイティブなフィールドでも言えることですよね。新人と呼ばれる人たちはどんどん若年層になってきています。だからこそ、思いがけなかったり、コれこそ最近のカルチャーを表している。そんな中で活動するのはすごく楽しいです。
好きなアーティストを教えて下さい。
エリザベス・アーキポフ、ジョン・カリン、マウリツィオ・カテラン、マーティン・キッペンバーガーなどです。
シフトの読者に向けてメッセージをお願いします。
KEEP YOUR EYES OPEN.
Text: Jerome Lacote
Translation: Sachiko Kurashina