アイ・シー・ア・ディファレント・ユー

PEOPLEText: Miki Matsumoto

「STUDIO AFRICA」のキャンペーンに抜擢されたきっかけは?

J:ある日、一通のEメールを受け取ったんだ。そこには「STUDIO AFRICA」のキャスティングに関することが書かれていた。「あなた達の作品に偶然出会ったの。あなた達の活動は、今回のキャンペーンに本当に合っていると思うから応募してみて」。実際に応募してみたら、1週間かそのくらいで、9名のファイナリストに残ったという返事がきた。それから様々なことが起こり始めたんだ。とにかく人生が変わるような体験で、全く想像もしなかったことが突然起こった感じだよ。

SA_insta_130228_013.jpg
© KENJI TAKAHASHI

作品写真を「タンブラー」で紹介していますね。今回のキャンペーンに起用が決まる前から、インターネットは活用していたのでしょうか?

I:ああ、自分たちの作品を見せるためにね。2011年の12月にタンブラーを使い始めて、それがきっかけで、全てのことは起こったんだ。

SA_insta_130228_039.jpg
© KENJI TAKAHASHI

Vimeoにアップされている動画の中で「Not only did we inherit wisdom from our forefathers but style」(知恵だけでなくスタイルも祖先から受け継いだ)という言葉が出てきます。皆さんが受け継いだ知恵、そしてスタイルとは?

V:知恵とは、国や両親といった僕らのルーツに対して抱いている愛だね。例えば、僕のおばあちゃんも、ひいおばあちゃんも、僕が今住んでいるのと同じ家に住んでいたんだけど、それは彼らがそこに愛を感じていたから。プロジェクトを通して伝えたいのはそういうことなんだ。古来からの遺産や文化を大切にすることとか、他の誰かになろうとするんじゃなくって、自分自身であることの大切さっていうのかな。

I:知恵とは誇りのことでもある。例えば、君自身がどこからやって来たのか、ということに誇りを持つこと。それが創造性や生産性に繋がる一番の道だと思うね。

SA_insta_130228_048.jpg
© KENJI TAKAHASHI

受け継いだ知恵やスタイルを、どのように自分自身のスタイルとして昇華していますか?

V:僕たちの作品がスタイリッシュだと君は言ってくれたれど、それは僕たちの親や先祖のおかげなんだ。彼らがそういったスタイルを伝えてくれた。

J:幼かった頃には、両親のスタイルを理解することができなかったんだけど、無意識のうちに刷り込まれていたんだと思う。当時のアルバムを見返すと、僕らの上の世代がどういった服を着ていたのかが分かるけど、僕たちはそういったスタイルを、現代の都会的なスタイルと混ぜ合わせて再現する。街で撮影をするとき、親世代のスタイルを感じる人に会うと撮影させて欲しいと声をかけるようにしているんだけど、今回の展示にも、そういった写真は含まれているよ。60年代とか80年代のトレンドだった服を今の時代に着ている。こういったことこそ僕たちが捉えたいと思うものなんだ。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE