大野力「ラインズ」
HAPPENINGText: Miki Matsumoto
家具を選ぶ際、あなたが最も重視する項目は何だろうか。デザインや価格、大きさといった主要項目がある中で、大前提として考えねばならないのは、その家具が所定の空間、すなわち居住している家や部屋に納まるサイズか否かである。つまり、家具を選ぶ前からそれが置かれる空間の大きさが決まっており、それに合わせて購入すべき家具のサイズを算出することが多い。
Photo: Toshiyuki Yano
現在、DIESEL SHIBUYA地下のホームコレクションエリアにて開催中の店舗インスタレーション「LINES」は、この順序を逆転させた発想が起点にある、実にユニークな企画だ。
Photo: Toshiyuki Yano
展示を担当したのは、住宅や商業空間の設計を中心に、国内外で活躍する建築家の大野力(建築設計事務所「sinato」主宰)。大野氏は、2010年にもDIESEL DENIM GALLERY AOYAMAにてインスタレーションを行っているが、その際のテーマ「ROLLS」とは一転し、今回は「LINES」(線)を題材に選んだ。
Photo: Toshiyuki Yano
『《縄張り》という言葉がありますが、例えばお花見の場所取りのとき、縄を一本撒くだけで、自分たちの領域のようなものが急に見えるようになったりしますよね。わざわざ壁を建てなくても、線を一本通すだけで、空間の単位を見せられるんじゃないかと思ったんです。』
通常、空間を仕切るのは壁という「面」だが、今回は「線」を用いて空間の区切りを試みたというわけだ。
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