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トラフ建築設計事務所

PEOPLEText: Noriko Yamakoshi

今後のご予定など教えて下さい。

まずはシリーズものとしてこれまで「かみの道具」として発表してきた「空気の器」と「tapehook」という2つのプロダクトシリーズの第3弾を、今年6月東京ビックサイトで開催される国際見本市インテリアライフスタイルでの「シャシンシコウ展」にて発表する予定です。

また4月には「トラフの小さな都市計画」(平凡社)という絵本が出版される予定です。この本は、今ある街をほんのすこし違う目線で見てみるだけでそれまでの世界がガラリと変わるかも、という「違う見方の提案」みたいなことをしたいと思って制作しました。

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きっと100人いれば100通りの見方があって、地図を持って街を歩くだけでもかなり見え方が変わってくると思うのですが、例えばそれが隠されている宝物を示した地図などであれば、見慣れた街が急に新鮮な遊び場に見えてきませんか、という提案だったり。

植物の分布図がしるされた地図なら、あそこの公園に行くと木の実があるので取って食べれるよ、となってよし、あそこに行ってみようだとか。

付録として付いてくる特別な眼鏡でこの本の世界を眺めてもらうと、フワフワと浮いた感じになったりしますが、これには提案している「違った視点」を体感してもらう意図もあったりします。

現代の我々にとって都市って基本与えられたものですが、自分の家の中のインテリアをちょっと変えるだけではなく、街に違った視点をすこし付加するだけでその街との関わり方も随分変わっていけると思うのです。

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NANYODO SHELF, 2011  Photo: Fuminari Yoshitsugu

例えば南洋堂(建築専門書店)さんの案件ではお店の外壁に本棚を設計しました。雨の日には片付けることもできる簡単な仕組みですが、こういう壁が外に向かって街に面してあることで、立ち止まって本を手にする人たちも多く出てくる。そしてこの壁は共有のものになり、一気に公共の一部になって都市に関わっていけると思うのです。

ちなみに「トラフの小さな都市計画」最後のページに載っている道は本当に事務所のすぐそばにある道です。不動前と武蔵小山をつなぐ元々あった線路が地下化して、その上は遊歩道に変わりました。でも折角のその遊歩道もごく一般的な使われ方しかしていなかった。そこにトラフが新しい提案を試みた絵なのです。

ガリバーテーブルがあったり、歩道の手すりに「デッキ」が付いていたり。折角線路がなくなって皆背中を向ける必要がなくなったので、家の壁には大きな窓を作ってみたり、プロジェクターをあててそこでみんなで上映会をしてみたり。またフライターグの店にも活用されている、壁窓が外にバタンと開くドライブスルー形式の仕組みもここにも組み込んだり。

その土地に住む人や訪れる人々がもっと個々に都市に関わっていける、コミュニケーションしていけるような提案を、これからもすこしずつ続けていけたらと考えています。

※前述のギャラリードゥポワソンとのコラボレーションリングは、3月30日より開催予定の「アートフェア東京2012」でも展示される。
また石巻工房と共同製作した「デッキ」は「スカイデッキ」として生産・販売が決定、3月9日より31日までハーマンミラーストア等で展示・販売されています。

株式会社トラフ建築設計事務所
住所:東京都品川区小山1-9-2-2F
TEL:03-5498-7156
torafu@torafu.com
https://www.torafu.com

Text: Noriko Yamakoshi

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