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白井剛

PEOPLEText: Fumi Hirota

コンテンポラリー・ダンスグループ「発条ト」を設立、ダンス・音楽・映像等を用いた作品を発表する傍ら、振付家・ダンサーとして活躍している白井剛氏。現代音楽とのコラボレーションや、アーティストの共作など幅広い活動を行い、その作品は国内外で上演され続けるなど評価を得ている。
2004年にはソロ作品「質量, slide ,& .」を発表、2011年には「質量, slide ,& .」をベースに、新作映像作品「質量, slide ,& . in frames」をYCAMにて制作/発表した。ウェブ上で映像作品を公開し、さらに全素材をダウンロード可能にするなど新たな試みを行った白井氏に「ダンスを映像で見る」ということ、舞台作品と映像作品との違いについてお話を伺った。

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Photo: 白井 亮

まず、これまでの活動内容含め、自己紹介をお願いします。また、振付家・ダンサーとして活躍されていますが、その活動の経緯を教えてください。

1996-2000年ダンスカンパニー「伊藤キム+輝く未来」の作品に出演。1998年「Study of Live works 発条ト」の設立に参加し、バニョレ国際振付賞受賞。2004年「質量, slide ,& .」を発表、この作品で2006年トヨタコレオグラフィーアワード「次代を担う振付家賞」を受賞。また、ダンサーとして、2004-2005年ユーリ・ン振付「悪魔の物語」、2005年伊藤キム振付「禁色」に出演。2006年、カンパニー「AbsT」を立ち上げ、2007年「しはに-subsoil」、5人の音楽家との共作「THECO-ザコ」を発表。第1回日本ダンスフォーラム賞を受賞。2006年から現代音楽の「アルデッティ弦楽四重奏団」とのコラボレーション作品「アパートメントハウス1776/ジョン・ケージ」に参加し、国内10ヶ所で巡演している。また、2007年にはYCAMでの滞在制作によって発表した、10人のアーティストによる共作「true/本当のこと」(YCAM初演)に参加、ヨーロッパやブラジルをはじめ国内外で上演を続けている。2009年「blue Lion」、2010年「静物画-still life」を京都で創作初演。また、2010年8月には、YCAMにて音響と身体表現をテーマにしたワークショップ「surround garden」の講師を務めた。

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「質量, slide ,& . in frames」(2011、YCAM委嘱作品)

今回、YCAMにて発表した新作映像作品は、2004年に初演したソロ作品「質量, slide, &.」をベースにしているそうですが、元々どういった作品なのかご紹介頂けますか?

ダンス作品「質量, slide ,& .」は、シアタートラムの独舞シリーズをきっかけに制作し、発表した作品です。それまでにも、ソロの作品を制作してはいましたが、構成・演出・振付・出演を行い、一つの公演全てを本格的に作り上げたという意味では、とても大きな作品だったと思います。 タイトルは、一言でいうと「質量感」を示しています。

クリエーション・マネージャーとして演出助手をしてくれた村上克之くんと、このタイトルについて話をしていた時は、顕微鏡で使用するプレパラートの印象で例えていました。プレパラートっていうのは、スライドグラスの上に水滴があり、そのうえにカバーグラスがありますよね。作品タイトルにある「slide」とは、カバーグラスの浮いているような、付着しているような、あの隙間の印象なのです。

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