山口情報芸術センター(YCAM)
PLACEText: Yuko Matono
山口県山口市、湯田温泉のホテルや旅館がひしめきあう温泉街を通り抜けると、いきなり開けた空間に出くわす。緑の芝生が広がる先には、大中小の波が3つ、山口情報芸術センター(通称YCAM)がある。何故こんなところに、そんな驚きを隠せないロケーションと建物である。
広報の方のお話によると、山口市は日本の県庁所在地の中で一番人口が少ない都市なのだそうだ。そこにメディアテクノロジーを共有するプラットフォームとして、芸術と情報の新たな創造的価値を追求する、まったく新しいタイプの文化施設があるのである。
山口情報芸術センター(YCAM)外観
オープンは2003年11月。建物は磯崎新アトリエの手による大胆な外観を構成する大中小3つの波は、それぞれに異なる機能をもつスペースとなっている。
山口情報芸術センター(YCAM)スタジオ
正面向かって左の大波はスタジオA。劇場スタイルの空間だが、シートが可動式になっているので大きな空間としても利用できる。ホールではなくスタジオと呼んでいるのは、そこが創作の場でもあるからだ。
山口情報芸術センター(YCAM)ホワイエ
建物真ん中の中波はエントランスとしての機能も持つホワイエ。ガラス張りの中庭に囲まれた開放的な吹き抜けの空間だ。中央に大階段があり、ここを客席やステージとしても利用できる。実際に私が訪れた時にはこの大階段を客席として利用したイベントが開催されていた。
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