フィッシュリ&ヴァイス展「ネズミとクマの映画の断片」

HAPPENINGText: Francesco Tenaglia

スイス人アーティスト、ピーター・フィッシュリとデヴィッド・ヴァイスが、ミラノの美しいバロック建築物パラッツォ・リッタで後世に残る合同回顧展「アルトリ・フィオリ・エ・アルトレ・ドマンデ(その他の花々とその他の質問)」を開催してちょうど一年後、このバロック建築のパビリオンやホールで撮影した映像を元に制作した映像作品をたずさえて、彼らが街に戻ってきた。ニコラ・トラサルディ財団によって運営されているこの企画は、アーティストたちが自ら着ぐるみを着て演ずる2匹の架空のキャラクター、ネズミとクマをモチーフとした映像シリーズの続編である。

フィッシュリ&ヴァイス展「ネズミとクマの映画の断片」

前回のエピソード、「最後の抵抗(1981年)」「正しい道(1983年)」から25年後の発表となる本作「ネズミとクマの映画の断片」は、3つのループ映像が別々のスクリーンから同時に上映されるというもの。

1つ目の映像では、2匹の動物たちはこどもの姿で現れ、聖骨箱に納まる自らの成長した肉体の周りで遊んでいる。聖骨箱のネズミとクマはやがて生きた肉体を取り戻し、箱を飛び出して、まるで幼い彼ら自身の親であるかのようにふるまい始め、教育や、恐ろしい罰を与える。
2つ目のスクリーンでは、こどものネズミとクマがパラッツォの広場の中を歩き回り、床の装飾を想像上の小道に例えて、疲れて眠るまでゲームを繰り返す。

フィッシュリ&ヴァイス展「ネズミとクマの映画の断片」

そして3つ目の映像ではネズミとクマは部屋の中で空中にぶらさがっており、まるでSF映画のようにカメラがその周りを行ったり来たりするというもの。プレスリリースによれば、動物を擬人化することで作家は「私たちの日常生活に潜む神秘的な秘密とシンプルな平凡さ」を追求しているという。

この映像録は、シュールなジョークと寓話的な儀式のちょうど中間に位置する、魅惑的な作品である。

フィッシュリ&ヴァイス展「ネズミとクマの映画の断片」
(Frammenti di un film con un orso e un ratto)
会期:2009年2月16日〜2月22日
会場:アルセナーレ劇場
住所:Via Correnti Cesare, 11, 20123 Milan
TEL:+39 02 8321999

Text: Francesco Tenaglia
Translation: Shiori Saito

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