フェリカ・ファン・デル・リースト

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動物と彫金とニットを自在に操る、気鋭のオランダ人ジュエリー・アーティスト。

フェリカ・ファン・デル・リースト

どこかに迷い込んだ気がした。このコたちは一体、どの世界で暮らしている生き物なのかと。おそらく作家の頭の中に、ストーリーが溢れているのだろう。その名はフェリカ・ファン・デル・リースト。動物と彫金とニットを自在に操る、気鋭のオランダ人ジュエリー・アーティストである。11月には、コンテンポラリー・ジュエリー・ギャラリー、 Deax Poissons で、日本で2回目となるエキシビジョン「Animalia」が開催された。


フェリカ・ファン・デル・リースト

近頃のデザインの潮流として、動物をモチーフとしたアート的なプロダクトが目に付くのは周知の通り。愛らしい動物のプロポーションは、身近にして無垢でアノニマスなアイコンであり、アートと日常のギャップを、いともたやすく埋めているかもしれない。フェリカは市販の動物トイメーカーのカタログからフィギュアを取り寄せ、分解/溶接する。そして、丁寧に編みこまれたニットを着せ、世界に数体限定のアートピースへと仕立てあげる。

フェリカ・ファン・デル・リースト

動物園の近くに生まれ、父親が運営する会社のブルドーザーでゾウやキリンたちが運ばれる様子を見て育ったという彼女が、動物オタクになるのは自然の成り行きだった。今でも馬を飼うべくノルウェーへの移住も考えているという。そんなフェリカにとって、フィギュアは表情の緻密なプレイグラウンドだ。それぞれの特徴に合わせてストーリーを上乗せしていく。例えば、ディプロドクスという恐竜。特徴として足が遅い。遅いなら、ローラースケートをはかせよう。ローラースケートなら、髪型を80sなマレットヘアにしよう。なら、なら、と、ひとりでグルーヴしていく。

フェリカ・ファン・デル・リースト

ココシャネルへのオマージュでアンゴラのセーターを着せたパンダのマーメイド「Pregnant Panda Bearmaid」、エジプトの壁画とスーパーフリークの髪をした、横しまなしまうま「Super Freak Zebra」、プレスリーのように翼を広げることに憧れるが、背の低さにコンプレックスを感じるペンギン「Rocky the Rockpenguin alias The Stork」。ひとつひとつキュレーターの森さんからの説明に、自然と笑みがこぼれていた。自分の想像をはるかに超えていたものだから、これはナニ?と次々身を乗り出してしまう。そうみていて、ふと思った。これってジュエリーといえるのだろうか。
森さん曰く、「ジュエリーとは付けなくてもいいものだからこそ、好みがはっきり出る」。確かに、とうなずく。

一目見て微笑み、話を聞いて笑い出す。日常に突如飛び出した動物たちは、きっと目の前の人を虜にするだろう。そう、彼女の作品は、身に付けることができるアートとしてのジュエリーなのだ。

フェリカ・ファン・デル・リースト展「Animalia」
会期:2007年10月19日〜11月11日
会場:gallery Deux Poissons
住所:東京都渋谷区恵比寿2-3-6 B1F

Text: Yoshihiro Kanematsu

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