遠山敦ドローイング作品集「バードブック」
近年、鳥をモチーフにしたキュートなドローイングを多数発表してきた遠山敦のドローイング作品集「BirdBook」。本書には、ユニークなスタイルで様々な鳥を表現したドローイングが収められている。特にアートに触れていない者にとっては子供のように見えるであろうこの作家の表現は、直感的に安らぎとかわいらしさを提供する。
シンプルで解りやすい、遠山敦による鳥の絵の本。絵を描く子供に与えられるような紙質で、描くのに使われているのはクレヨンのようだ。
実際、紙はとても薄く、おそらく意図して留められ方も緩く、それがキャラクターにセンスとかわいらしさを与えている。ドローイングはシンプルでとてもラフ、最後に緩くまとめられたスケッチのコレクションということを意味したアイディアが伺われる。
描かれる鳥はフクロウからハト、アヒル、ワシ、その他僕にはまだ量りかねる種類の鳥までとても幅広い。「Beauty in simplicity」が、この本に相応しいフレーズかと僕は思う。
シンプルなコンセプト、制作、そして鑑賞が目的であり、おそらくそれはとてもよく現れている。おそらくアートに良く触れる者は僕より楽しめるに違いないが、僕は自分が感じる、様々な鳥の可愛らしいドローイングという観点で鑑賞する。
BirdBook
著者:遠山敦
発行:UTRECHT
価格:1,260円(税込)
発売:2007年6月中旬
https://www.utrecht.jp
Text: Eric Choo
Translation: Yurie Hatano
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