DOTMOV FESTIVAL 2007

HAPPENING

DOTMOV FESTIVAL 2007」は、未知なる才能を持ったクリエイター発掘と作品紹介の機会の創出を目的に開催されるデジタル・フィルム・フェスティバル。世界中から作品募集を受け付け、寄せられた作品は、ゲストクリエイターにより優秀作品を選出し、オンラインマガジン「SHIFT」のプロデュースするカフェSOSOせんだいメディアテークCOMBINEdigmeout ART&DINER、2007年11月〜各会場で上映します。今年集まった作品総数は、世界34カ国から297作品。

上映会場・期間

2007年11月1日〜30日 札幌 ソーソー・カフェ
2007年11月1日〜14日 仙台 せんだいメディアテーク ※1
2007年11月1日〜30日 東京 COMBINE ※2
2007年11月7日〜18日 大阪 digmeout ART&DINER
2008年2月15日〜17日 静岡 SCVF 静岡市クリエーター支援センター

※1 ポスト・ロック・デュオsubtleの瀬川雄太によるライブ・パフォーマンスを同時開催。複数のスピーカーが配置された空間を歩きながら、「空間でミックスされ、聴く人のなかで完成する音楽」を、日本を代表する伊東豊雄設計の建築・せんだいメディアテークでお楽しみください。[詳しくはこちら]
※2 「mjuc」名義で国内外で動している音楽家、高橋英明の企画、構成、原案、作曲による「メディア・オペラ・アワーブリンク」を協力イベントとして開催。天井の6面プロジェクション・スクリーン、LEDが繰り出す視覚、10本のスピーカー、グリッド状に吊るされる16個のスーパー・ツイーターによる新しい映像体験。[詳しくはこちら]

上映作品 (ウェブ上での公開は終了しています)



  • Herzog And The Monsters
    4:00 | 2006 | UK
    Dir: Leseley Barnes
    Sound & Music: Al Paxton a.k.a Metronomes
  • 様々な点において他の作品とは一線を画している、白黒の映像の合間にたまに現れる差し色が印象的な作品。
    本作品は3Dキャラクターデザイン、3次元の空間、クラシックとモダンなタイポグラフィー、ベクターグラフィックと切り絵のイラストレーションの難しいバランスをうまく調和し、現代風にまとめている。これらの要素全てを、同じ場で扱うことは気の遠くなるような作業だが、この制作はほぼ完璧で、他の参加作品にもひけを取らないものである。
    選出・文:Fork


  • Unconscious
    4:08 | 2007 | Japan
    Dir: Yusuke Nakajima
  • 髪が総毛立つとか肌の表面が粟立つとか血の気が引いてぞっとするとか、テクニックとか構成とかそこに引用されたパーツのバックグラウンド知識とか、そういった意識レベル以前のもの、おそらく生理レベルで熱くなる、こりゃ凄いと感じるものが、おそらく優れた作品なのでしょう。とはいえ人の生理に訴えかけるものが全て傑作かといえば決してそうでもなく、大抵は嫌悪感とか拒絶感とかいたたまれなさとか、はっきりノーサンキューを伝えたい表現のほうが、圧倒的に多いのが現実かもしれません。
    たとえば日常でよくある「鳥肌が立つ」というケースをみても、それは痺れるような強烈な快感と、猛烈な虚無感や嫌悪感という相反する場合とがあって、またやっかいなことに大抵はそうした感情がない交ぜだったりもします。
    性交時の痺れる快感はマスターベーションと大変似ていますが、終了後の虚無感や罪悪感は明確に違う、といえば分かりやすいでしょうか。分かりやすくない?
    ではドS転じてMになる。これはよく紙一重という意味に取られがちですが違います。本来これはK点越えのオーバー・ザ・トップがその瞬間に自分の依って立つ地面が反転すること、生きていると思ったら残念死んでいた。ナイト・オブ・ザ・リビング・デッドです。分かりにくい?
    では具体例を挙げましょう。日常のありふれた光景が見たことのない異形の景色に見える。またそれが不快ではなく美しい。美しいというよりも生理に直接訴えてくるような快感がある。それがこの作品でした。
    NHKの教育テレビチックに始まるこの『UNCONCIOUS』は、いってみれば水の様々な表情スケッチです。表面張力の塊としての水滴(ドロップ)から、蒸発する直前の沸騰状態、外部の力で攪拌された表面の波や泡、金属や石やコンクリートなど様々なマテリアルと接した時の水の表情、などなど。面白くもなんともない光景だけで構成された映像作品です。
    まず私たちは、水の質感を誰もが知っています。約100度で沸騰し気体になることも、0度で凍って固体になることも。その温度がどれほど温いか熱いか冷たいか安全か危険か。その味や粘度がどのくらいなのかも、触ったり浸かったり飲んだりすることで、誰もが水のことを生理レベルで明確にイメージできます。
    この作品は、日常の面白くも何ともない光景をテーマにしていますが、まず編集の感覚が抜群だと感じます。そしてこの人は音楽のことをよく知っている人なのだと思います。かつて音楽の世界では90年代にミニマルテクノ、エレクトロニカ、そして音響派と呼ばれた意欲的な表現がありました(今もあります)。この『UNCONCIOUS』は映像表現としてこれらの系譜を引くものだと思いますというか引いています。
    映像だけが突出して主張して全体から乖離し、残りの要素が質の悪い添え物に落ちてしまうムービー作品も多い昨今、『UNCONCIOUS』は映像とサウンドが同等に高いテンションを保っていました(というかそれが当然なのですが)。単体の音楽作品も聞きたいと思わせます。
    選出・文:Jiro Ohashi


  • こきりこ節
    3:03 | 2007 | Japan
    Dir: Teppei Maki
    Music: Omodaka
  • この作品はデザイナーズ・リパブリックのチームとして選びました。個人的には、この作品がなぜが好きなのかよく分からないのですが、この作品には押し付けがましいところはないし、流行やファッショナブルさを追ったものではなく、何にも縛られない、素晴らしいアニメーションです。音楽と映像が完璧にシンクロし、相乗効果が生まれています。ユーモアがあって、影があって、風変わりで、不思議。私達には何故この作品がこうであるのか分からないですが、とても気に入っています。
    選出・文:Ian Anderson (TDR)


  • Kaizer
    10:19 | 2006 | Japan
    Dir: Kotaro Tanaka
  • 美しい映像と微量のタイムラップ・エフェクト。
    シンプルなのがとても良いです。
    選出・文:Yoshi Sodeoka (c505)


  • 食体験
    6:04 | 2007 | Japan
    Dir: Takumi Nakai
  • 私たちが選んだのは、スケッチによるショート・コント集。
    技術的な特徴のある作品が多いなか、ユーモアのセンスが際立っている。
    ひねりがあって楽しく、観る人を笑顔にする作品。
    選出・文:Motion Theory


  • If Time Pass
    4:55 | 2007 | Japan
    Dir: Teppei Kuroyanagi
    Sound: Takahide Higuchi
  • 二人のダンサーのパフォーマンスをデジタルで描写した作品。スクリーン上に軌跡を残すダンサーの動きは、心地よい音楽や、印象的なビデオアートのよう。
    ダンサーのパフォーマンスの動きの軌跡が重なり、ひとつの画となっていく、不思議な感覚。それは、スクリーンに刻まれてはゆっくり消えていく“瞬間”のイメージ。
    本作品は、動画とデジタル描写が自然と交わりあい、リズミカルな視覚への欲望を満たす、素晴らしい作品。
    選出・文:Sugarcube

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