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大石暁規

PEOPLEText: Yurie Hatano

今回のシフトカバーを手がけたのは、フランス国際マルチメディア見本市、ミリア 2001新人賞受賞をきっかけにヨーロッパで活躍する大石暁規DOTMOVフェスティバル2005での特別展示作品としても招待された、インタラクティブ・アニメーションを得意とするグラフィック・アーティストだ。スモールグラフィックスから広がる独自の世界観を表現したグラフィック作品も多数制作しており、作品は、SHIFT 2006 カレンダーにも採用されている。

まずはじめに、自己紹介をお願いします。

IAMAS情報科学芸術大学院大学でメディアデザインを学んだ後、在学中に作った「MICRO-PLANTATION」という作品がフランス国際マルチメディア見本、ミリア 2001の新人賞を受賞して、それを切っ掛けに渡仏しました。招かれたフランスのクリエイティブ・デザインチームの会社、チーム・シマンに3年間所属して、主にヨーロッパで活動していました。現在はスイスの美術大学「ECAL」で非常勤の講師を勤めながら、日本の大学でも教鞭をとっていて、日本とヨーロッパの往復をしています。


展覧会カタログ「プティボノム展」YCAM(2005)より。

グラフィック・アーティストとしての活動に至ったきっかけは何ですか?

最初はマンガ家になりたいと思ってアート系のマンガを目指していて、月刊誌ガロに掲載されたりもしました。当時のマンガは、アニメーション作品の原形となるパラパラのコマ・マンガのようなものでした。活動している内に、日本マンガ界の視野の狭さを感じ、アート系マンガの本場であるヨーロッパに向って、アートスクール主催のアニメーション制作ワークショップを受講したんですが、そこでコンピュータの可能性の素晴らしさを知りました。帰国してIAMASでデジタルのメディア・デザイン学び、モノクロのドローイングをベースにグラフィック・アートやアニメーション、そしてインタラクティブ作品の制作をするようになりました。


OPNIYAMA」は子供たちに大人気。「プティボノム展」YCAM(2005)より。

フランスのデザイン・チーム、チーム・シマンでの活動や、スイスの美術大学ECALでの活動について教えて下さい。また、ヨーロッパで活動しようと思ったきっかけは何でしょうか?

チーム・シマンでは、プログラマーやサウンドデザイナーなどの高いスキルを備えたメンバーたちと、“アートとゲームの融合” をテーマに作品を作ったり、CM制作などに関わっていました。スイスの美術大学ECALでは、メディア&インタラクション・デザイン科の授業を担当しています。スイスはデザインの面でかなり進んでいて、ものすごく刺激を受けることが多いです。ヨーロッパでの活動のきっかけは、招待されたフェスティバルで仲良くなって、幾度か会社スタジオに遊びにいってる内にいつの間にか就職することになっていました。


「プティボノム」が住むモノクロのグラフィカルなミニチュールの世界をみんなで色塗り。「プティボノム展」YCAM(2005)より。

この夏に開催された「プティボノム展」について教えて下さい。

プティボノム展」は、YCAM(山口情報芸術センター)で行われ、IAMAS在学中からフランスでの活動に現在までの活動の集大成の個展で、巨大な画面でプレイできるゲーム型の作品から、様々な色を塗り分けて都市を作っていく壁紙、シンプルな数コマアニメーションのワンボタンゲームなどを展示しました。館内の所々にスタンプラリーも設置して、あちこちの小さいキャラクター「プティボノム」を探険しながら、彼らが住むグラフィカルなミニチュアの世界を無限に楽しめる展覧会となりました。

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