中谷芙二子+高谷史郎「CLOUD FOREST」
HAPPENINGText: Wakana Kawahito
まるで、屏風画のように対になり、左右に配置されている。というのは、中谷芙二子の「霧の彫刻」と高谷史郎による光とサウンドが融合した、「CLOUD FOREST Patio A」と「CLOUD FOREST Patio B」である。
中谷芙二子+高谷史郎「CLOUD FOREST – Patio A, Patio B」
これらを含めた、山口情報芸術センター(以下、YCAM)館内外の大きな空間で展開されている4つのインスタレーションは、今回の展覧会のために作家が滞在して制作したオリジナルの作品だ。
中谷芙二子+高谷史郎「CLOUD FOREST – Fog Installation #47784」
「CLOUD FOREST」は、「環境」がテーマとなっている。ここで言う環境とは、自然環境の意だけではなく、社会環境、精神環境、情報環境をも含んだ広義の意味を指す。装置によって作り出される人工の霧、太陽光、音響が組合わさることで、自然環境と人工環境の対話とその狭間に存在するものを表現している。
中谷芙二子+高谷史郎「CLOUD FOREST – Patio A, Patio B」
ガラスで囲まれ、外から光や雨が入り込む、長方形の吹き抜け構造の中庭に「CLOUD FOREST Patio A」と「CLOUD FOREST Patio B」はある。その空間では、霧、光、音の3要素がその時の天候や館内の環境に影響されながら、その瞬間しかない多様な様子を作り出す。そして、AとBでは、霧の放出の位置やタイミング、光の射し方が異なるため、それぞれが常にまったく違った表情をみせる。
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