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大石暁規

PEOPLEText: Yurie Hatano

ヨーロッパのアートシーンやシステムの良さは、どんなところにあると思いますか?比べて日本はどうですか?

日本と比べてヨーロッパはアートにおける需要シェアが大きいですね。展覧会以外にも日常的にアートに触れる機会が多く、一般のひとたちもアートに関しての見識は高いと言えると思います。どんな小さなことでも世間が認めてくれる、ヨーロッパでの活動に魅力を感じています。他にはアートイベントやフェスティバルはとても頻繁に開催され、アーティストたちの活躍の場が多いのも特徴ですね。

そう言った発表の場が活発にある反面、商業エンターテイメントの分野が日本のような大きな産業地盤がなく、沢山の日本のコミックとゲームソフト、テレビ番組のコンテンツまでも輸入しています。関係者からしてみるとエンターテイメント産業が活発な日本社会はたいへん羨ましく映っていて、ジャパニーズ・エンターテイメントがヨーロッパではアートとして紹介されているのがとても不思議です。

最近は主にどのような活動をされていますか?

スイス映画賞を総なめにした映画「Mais Im Bundeshuus」(スイス議会でポップコーン)のDVD2プロジェクトにアニメーション作品を提供しました。これに関してスイス国営放送のサイトにも紹介されています(日本語記事もあります)。他に、「絵本・小さなことにくよくよするな」の全ページイラストを手掛けました。現在第2段の続編「愛情編」も出ています。あとはフランスのコミック雑誌「Ferraille」にマンガを連載したりと、アニメーションやインタラクティブだけではなく、アナログの作品も精力的に制作しています。


「SHIFT2006カレンダー」入選作品

SHIFT2006カレンダーの入選作品について教えて下さい。

このドローイングは、スケッチブックにペンで描いています。モノクロなのは、小さいころから描いているマンガの描き方に影響されていて、過密にうめていくこのスタイルは建築事務所でアルバイトした時に扱っていた平面の図面に影響を受けました。その図面が何かを意味する様に、この絵も何かの建物や都市を表しています。描かれた色々な小さなオブジェの形は自分にとってはフォントのようなものなのです。

今回手掛けていただいたカバーについて教えてください。

昔から飛行機が好きで、何回乗ってもワクワクするんです。今回は世界中の人に空の旅をして、SHIFTに遊びに来てもらいたいと思って作りました。スペースキーを押すと、人がパラシュートのように降りてきますよ。見るだけじゃなくて、さわって動かして遊んでいただければと思います。

今後の予定や、挑戦したい事はありますか?

アニメーションがスイスのフィルムフェティバルに招待され、年明けのカンファレンスに出席、オフィシャル上映会に参加します。そして、来年度のヨコハマポートサイドギャラリーでの個展と新作発表に向けて準備をはじめたところです。一度は、超高層ビルの壁面いっぱいに、ぼくのプティボノムワールドでうめつくす超巨大ウォールペインティングに挑戦して、プティボノム・ビルを作りたいです。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。スモールグラフィックスから広がる世界、プティボノムを是非とも御堪能ください。

Text: Yurie Hatano

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