ケン・パトラー

PEOPLE


この3月、僕は4年間住んでいた場所を離れ、新しい環境を求めてブルックリンの2階建てロフトアパートに引っ越しをした。1つだけ、1階から奇怪な音が聞こえてくる問題があり、それが僕の好奇心をかきたてることになった。後に、その1階に住むのは、ケン・バトラーというアーティストだということが判明する。彼は、彫刻の楽器を自ら作り、ライブパフォーマンスを行うアーティストで、ニューヨーク、ダウンタウンの音楽シーンから広く名を知らしめてきていた。

ケンをミュージシャンに分類するのは、少し難しい。いくつかの分野に渡って活動しているので、何ものであると定義し難いわけである。1つだけ明らかなのは、ケンのパフォーマンスに対する情熱や、話し方に現れるエネルギーだ。とても鋭いコミュニケータである!インスタレーションアーティスト、彫刻家、ビデオアーティスト、フォトグラファー、デザイナー、フィルムメイカー、サウンドアーティスト、編曲家、詩人、これらは彼がウェブサイト上でほのめかす分野の、ほんの一部だ。

彼はアートのバックグラウンドを持つ。 1997年には、オレゴン州ポートランド大学のペインティング科を卒業した。まさかりに、弦やネック、バイオリンの止め版、などを使い、遊び心たっぷりの楽器を始めに作り出したのはこの頃だ。ただ、その「バイオリンギター」を作っただけに留まらず、後27年に渡って、白いキャンバスにアイディアをしたためたわけだ。

彼のロフトスペースにお邪魔し、ケンの作品をいくつか見せてもらった後、僕は彼が、もし砂漠の島から抜けられなくなったとしても、ミュージカルなものを作り出すのに忙しくしているような人だ、と感じた。彼の作品数は膨大な数で、400以上の楽器や、とても手の込んだ「アーバン・グランドピアノ」などがいくつかある。これは、スライドプロジェクター、ラジオ、ネオンチューブ、ライト、そしてテープレコーダーからできていた。また、彼が話の途中に何気なく掴んで吹いた、プラスチックの一片のようなものは、なんとトランペットの音がした!僕は、この全てのコレクションの中で、彼のお気に入りは何であるのか気になり、砂漠の島の話をすると、彼はシャベルならいい音がすると言った。

ケンが楽器を作る時の作業は、主に彼が見つけるアコースティックで実用的な材料が使われる。これが彼が「ハイパー・ユーティリティ(超実用的)」と呼ぶものだ。しかし僕は、彼の奇妙で風変わりな道具を見て、何か隠されたメッセージや、彼が作ろうとする声明のようなものを感じる。壁にかけられていたのは、弦楽器の面白いサンプルがいくつかと、チェスボード、レザーブーツ、古い電話、偽者の銃だ。この仕事は、彼が心地よく感じる様々なものや事を導いてくれる、と僕に言うと、彼はホッケーのスティックの実用性を指摘した。これは、真直ぐに支える能力、つまりギターの枝の部分になり得て、足の部分にはデザインを施す事ができる。彼はまた、弦楽器のいくつもの使い道を教えてくれた。弦を使い、かき鳴らしたり、はじいたり、また表面を叩いたりする。ケンの作品は、どこの壁にかけられたとしても、食卓の面白い話題になるだろうが、彼は楽器を美的な部分だけに焦点をあてた作品としても展示してきた。

ケンとのおしゃべりも終わりに近づくと、彼は作品がいくつか映し出されたショービデオを見るよう、僕に言った。ビデオには、手の込んだインスタレーション作品がいくつかあった。オーディオやビジュアルの層を作り出すキーボードなどだ。大掛かりなライトのミックスやビデオ、フォト、サウンドは、結果であり、途中経過であり、全てはケンだ。また別のシーンでケンは、小さなマイクを口にいれ、頭の色んな部分を指で叩く事によって、リズムの名人になった。頭にはマイクついていて、小さなアンプを通して音が出る。ケンが指摘するように、“触るもの全てが音を出す”のだ。


A quicktime of Ken playing

http://www.location1.org/artists/anxious_objects.html

A link to buy his CD “Voices Of Anxious Objects”

http://www.musicoutfitter.com/store/item/702397740223/voicesofanxiousobjects.html

Text and Photos: Garry Waller
Translation: Yurie Hatano

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