ロンドン・アート・フェア 2017
第29回目の開催となるロンドン・アート・フェアが、去る1月18日から22日にかけて開催された。ロンドンの主要ギャラリーが一堂に会することでも知られ、会場となったビジネス・デザイン・センターの3フロアには、世界17カ国から129のコマーシャル・ギャラリーが集結した。
The main entrance of London Art Fair, 2017.
最初のフロアでは、フェアのパートナーである「ライトボックス」が優れた英国の近代美術作品を保有するイングラム・コレクションを展示していた。「今世紀のアートの10年」と題されたこの展示で、ジョン・タナードをはじめとした新ロマン主義の時代の作品を観ることができる。
2階へ移動すると、彫刻やプリント、ポスター、映画、写真、音楽に満ちていた。ここではレセプション・パーティが開催されており、フェアのツアーガイドなども行われていた。
ここからは幾つか個人的に気になった作品を紹介する。
Il Mondo Che Non Vedo, No. 202, Italy, Fabiano Parisi, 2016. C-Type photograph mounted on Dibond in tray frame. 1180 × 1380 mm
イタリアの写真家、ファビアーノ・パリシーは、心理学を専攻した後、建築の美しさを解釈するために廃墟などの今は使用されなくなった空間に焦点を当てた写真作品を制作している。大きくプリントされた写真のディテールとライティング技術によって、作品からは建物の息遣いが感じられる。
Nu Shu, Alessandro Cardinale, 2016, Sculpture. 400 x 500 mm
ベニスでファイン・アートを学んだイタリア人アーティスト、アレサンドロ・カルディナーレは、最近までその存在がほとんど外部に知られず、中国で絶滅の危機に瀕している言語「女書」(中国の一部の地域で女性のみが習得した言語)に、インスパイアされたシリーズ作品を発表した。作品は木と綿で作られており、特定の位置と角度よって女性の像が現れる。
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