ソナー 2001

HAPPENINGText: Ben Vine, Terevision Ruiz

土曜日。さすがにもうそれほど新鮮には感じない。実際、ソナーのほとんどが少し疲弊している感じ。 CCCBは人で一杯で、入るための長い待ち行列があり、展示からバーまでの全てが混雑している。今日は月曜日から金曜日まで仕事がある理性的な人々が来る日。きちんと睡眠を摂っている人の顔を見ると安心する。素晴らしいラインアップを揃え、大きなクラブの夜をうまく演出しているけれど、ソナーはそれ以上のものだよ。クラブ音楽を文化的イベントに変え、決してクラブに足を踏み入れないであろう人々にアクセス可能にするんだ。

今日のメニューの大きなお気に入りはジャズノバ。彼らはこの日当たりがよい土曜日には少しクラブ的過ぎるようなアップビートのダンス的なセットを演奏した。それにもかかわらず、ここソナー・ビレッジでは大成功で、群衆は彼らを去らせようとしない。ソナーっ子達は最後まで戦う覚悟を決め、その光栄に預かる仕事をするのは、DJヴァディムとロシアン・パーカッション。しかし巨匠の印象的なスクラッチにもかかわらず、陳腐で徹底的に腹立たしい地元DJのMCは黙ることがない。 カタロニア人が礼儀正しいのかもしれないけれど、この野郎の独創性に欠けた自我自賛は耐えられないほどで、困った聴衆は口笛を吹いて不平を言い始める。DJヴァディムが後部座席を陣取る時だけ、この小さな害虫野郎は黙っている。

恐れることはない。ターンテーブルがロシアン・パーカッションと共に優れたスクラッチングを生み出す一方、ずっと隅っこでゴツンゴツン叩いていた人間ビートボックスがステージ中央を占める。それは今まで観た中で最も印象的なビートボックス・セッション。2、3のマイクチェックで、ビート、スクラッチ、ベース、およびこれら3つのセットを完全に支配し、人間の声が到達できるなんて思いもしなかった領域まで達する。非の打ち所がなく、デッキよりも多くのグルーブが得られる。なんと、レコードの音がしないところで、踊らせようとする!聞きながら不信で唖然とした口をしていると、空気製のデッキを後方へ回転させ、目に見えないレコードを演奏する。古いハウスの曲の一つであると判明し、ヴォーカルがスピードアップして完全な裏声で歌う。これはソナー昼の部の中で最大の拍手喝采をもたらし、笑いで僕達をへろへろにした。セニョール!なんていう一日の終わり方でしょ、これは!

土曜のソナー夜の部のことを、僕が愛したのと同じくらいに伝えることはできない。12時にはまぶたを開けているのが辛くなって、ジェフ・ミルズとリッチー・ホーティンの6時間は、顔をステージに向けていただけ。僕に限って言えば、ソナーは来年まで続いている。今回は充実した年だった。見逃したアクトも多かったけれど、音楽は本当に素晴らしかった。アモン・トビンは忘れられないし、マスターズ・アット・ワークはハウスへの信頼を取り戻し、プラッドはワープ・レーベルの全てが痛々しいわけじゃないと証明した。勇敢にもソナー夜の部をオスピタレットに移転し(そのせいでマル・ベラの海岸での日の出は逃したけど)、いかにフェスティバルが実行されるべきであるかを皆に示した協会に、感謝の言葉を贈りたい。そして最後に、共にフェスティバルに参加し、あのヴァイブを作り上げた全ての人々に感謝。来年また会いましょう。

SONAR 2001
8th Barcelona Festival of Advanced Music and Multimedia Art
会期:2001年6月14日(木)〜16日(土)
会場:CCCB
https://www.sonar.es

Text: Ben Vine, Terevision Ruiz
Translation: Hiroyuki Saito
Photos: Ben Vine, Terevision Ruiz

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