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フェイク ID

PEOPLEText: Mayumi Kaneko

今月のカバーデザインを制作してくれたのは、サンフランシスコを拠点に活躍するデザインユニット・フェイクID。アートインスタレーションでのパフォーマンスからウェブ制作まで幅広く活動し、ウェブサイトでは、シカやバッファローなどの動物をモチーフにしたビットマップスタイルのデザインを展開。彼等のユニークなコンセプトから生み出されるショックウェーブ作品も必見だ。

まずはじめに、自己紹介をお願いします。

ジョシュア:ジョシュア・トゥリーズ。イリノイ出身で、僕のバックグラウンドは、コンセプチュアルデザインとパフォーマンス/ビデオ。フェイクIDは、かつて、1892年に閉園するまでサンフランシスコで一番人気だった遊園地ウッドワーズガーデンの由緒ある地区の頂上にスタジオを構えるデザインユニット。その当時は、サンフランシスコ最大の水族館や日本の鉱物、シカ、トド、バッファローなどの動物学的標本を25ドルで見ることができたそうです。現在その地区は、僕達のような小さなデザインスタジオのホームとなっています。フェイクIDは98年頃設立され、デザインへの本当に意味でのボーダレスなアプローチを提供することを目的とし、僕達を、ウィンドウディスプレイ(アーバン・アウトフィッターズ)、ファッション、アートインスタレーションでの彫刻制作(ロサンゼルス、メキシコシティ)など、アイディアをコミュニケートするために必要な、いかなる分野へも「侵入」することを可能にしています。

イヴァン:イヴァン・マルチネス。ベネズエラ出身で、僕のバックグラウンドは数学。コンセプトにぴったり合うフォームを取り入れています。また、営利、非営利プロジェクトのバランスを保つ努力をしています。

最近の活動について教えてください。

ジョシュア:ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、性倒錯者の社会のための新しいアイデンティティと、そこから発生する2次的なものをクリエイトしつつ、プロモーション的なゲームのためのブレイクダンスチームを展開しています。また、ビルボード、バスのキオスク、ポスターなどで構成される屋外広告キャンペーンを仕上げているところです。

フェイクIDではどのようなことをやっているのですか?

イヴァン:今、フェイクID のサイトで一番面白いのは、毎月更新している「AIR」セクションです。インターネットをメディアとして、アーティスト、建築家、ライター、司会者、デザイナーなどをフィーチャーしています。全プロジェクトは、スキャンされデジタルに変換されたものとは対照的に、スクリーンのためだけに制作されたものです。

様々なデザイナーの作品やインタビューをアップしていますが、今後フィーチャーしてみたいデザイナーは誰ですか?

ジョシュア:分野を問わず、リスクと実験を背負う勇気があり、強烈なコンセプトでプロジェクトを展開している人達。「AIR」セクションでは、常に批判的、挑発的なコンテクストのために安全ではないコンテンツにライセンスを与えることを目的としています。いろいろな提案も受け付け中です。

ウェブデザインの仕事をするようになったきっかけは何ですか?

ジョシュア:学校を卒業する時に、ダイビングマスターになるべくハワイに旅立とうとしていたイヴァンに出会って、一緒にパフォーマンスやビデオプロジェクトをするようになったのですが、それがすごくうまくいったので、ビジネスに発展するのは時間の問題でした。95年に、最初のHTMLクラスを受けて、本を一冊買いました。イヴァンも同じ本を買って、彼はHTMLを3日でマスターしてしまったのです。他の人達と同じように、僕もウェブの可能性にすっかり魅了されてしまって、それで、ダイビングに行くのを中断して、代わりにウェブサーフィンをやってみないかとイヴァンを説得したのです。

イヴァン:一度始めたらもう止められません。

ウェブデザインで最も重要なことは、何だと思いますか?

イヴァン:ウェブの制約を逆手に取って、それをひとつの出発点として活用すること。あとは、ウェブを、TVの派生的なものではなく、独自のメディアとして捉えること。

ジョシュア:ソフトウェア制作者のアイディアに頼り過ぎないこと。自分だけのスクリプトを書き、既存のソフトウェアを矛盾した形で使うこと。

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