
昨年のヴェネツィア映画祭で北野武監督の「HANA-BI」がグランプリ受賞したが、東京でのロードショーに先駆けて、映画中に使われた絵画を展示した“北野武ギャラリー”が行われた。
事故で半身付随になってしまった同僚の警官に、責任を感じている主人公(たけし)が画材をプレゼントする、というストーリー設定もあり、「HANA-BI」のシーンごとに使用されている絵画は全てたけし自身が描いたもの。
94年に交通事故にあってからリハビリを兼ねて描き始めたらしいのだが、そんな短期間で描いてきたとは信じられない程の力量。緻密な点描画や写楽をもじった浮世絵、ゴッホやダリ風のシュールな作品までその豊かな色彩と、壊れてしまうのではないかと思うくらいの繊細さとやさしさに溢れた作品に、訪れていた人達は、息を飲んで見入っていた。日本以外の国では絶賛されている北野武監督映画だが、日本での興行が芳ばしくないのはとても残念。
先日もテレビ番組『誰でもピカソ』(テレビ東京)で、タレントのおままごと陶芸作品や、笑いをとるためだけのおゲレツ写真などに混じって、たけしの浮世絵作品が競り落とされれていたのだが、なんだかそれも残念だった。雑誌『The Face』の“北野武=映画監督である我々は幸せだ”ってコメントは本当その通り。
Text: Atsuko Kobayashi from spin!
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