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ポール・マッカートニー写真展 1963-64 ~EYES OF THE STORM~

HAPPENINGText: Alma Reyes

メイン・ギャラリーに近づくと、雑誌やアルバムの表紙、ニュースの切り抜き、写真など、ビートルズの思い出の品が並ぶ廊下があり、バンドの栄光の時代を巻き戻している。そして、バンドがロンドン(リバプールを含む)にいた頃の写真で演出された最初のセクションに到着する。リバプール・エンパイア劇場でのコンサートやレコーディング・セッション、プロダクションやマネージメント・クルーとのシーンが収められており、バックステージやパブでのメンバーの親密さや、メディアやファンとの喧騒が感じられる。


Installation view, London, Paul McCartney Photographs 1963-64 Eyes of the Storm, Tokyo City View, Roppongi Mori Hills Tower

マッカートニーは1963年、ウェストミンスターにある女優で作家のジェーン・アッシャーの実家の屋根裏部屋で、印象的な自画像を撮影した。ふたりは約5年間交際し、数年間はアッシャーの家をバンドメンバーとシェアしていた。

次のセクションは、1964年のパリでのツアーを紹介する写真群。レコーディングやフォトセッションから、マッカートニーが見たパリの街並みや名所まで、さまざまなシーンが広がっている。高級車オースティン・プリンセスの車内から撮影された写真も多い。レノンとハリソンのツーショットや、レノンが少し体を曲げて手を振っている姿は貴重なショットだ。この時期に《抱きしめたい(I Want to Hold Your Hand)》が全米チャート1位を獲得している。


Installation view, Paris, Paul McCartney Photographs 1963-64 Eyes of the Storm, Tokyo City View, Roppongi Mori Hills Tower

マッカートニーは、バンドがNo.1ヒットを放つまではアメリカに足を踏み入れないと心に誓っていた。そして、ついに大ブレイクが実現したため、彼らは1964年にニューヨークに飛んだ。ビートルズが初めてエド・サリバン・ショーに出演したとき、アメリカの2,324万世帯から7,300万人の地元視聴者が集まった。その驚異的な存在感は、エルヴィス・プレスリー以来のものであり、まさに歴史的な出来事であった。

この 黄金の 瞬間は、大きなコンタクトプリントとアメリカの人気テレビ番組のビデオクリップの特別コーナーに記録されている。


Installation view, Washington D.C., Miami, Paul McCartney Photographs 1963-64 Eyes of the Storm, Tokyo City View, Roppongi Mori Hills Tower

写真群はワシントンD.C.、マイアミへと続く。飛行機の中、空港、大勢のファンやカメラマンに囲まれた足元など、さまざまなシーンが描かれている。マッカートニーは、バンドが本当に望んでいたきらびやかな名声に対する絶え間ない陶酔のような、メンバーの表情にある純粋な喜び、驚き、興奮の輝きを捉えることができた。


Installation view, Miami, Paul McCartney Photographs 1963-64 Eyes of the Storm, Tokyo City View, Roppongi Mori Hills Tower

マイアミのカラー写真は、少なくとも一時的にモノクロームの生活を捨て、太陽、プール、ボート、水上スキーに取って代わったようだ。マイアミ・ビーチで、黄色いビキニの少女に飲み物を手渡されながらタバコをくわえているハリソンのスナップショットは、当時の若者の無邪気さを暗示している。


Paul McCartney, George Harrison, Miami Beach, February 1964 © 1964 Paul McCartney under exclusive license to MPL Archive LLP

ギャラリーの壁に貼られたマッカートニーの言葉が、ビートルズの音楽遺産を取り巻くエネルギー、精神、そして永遠に忘れられないスペクタクルを物語っているかのように、写真に命を吹き込んでいる。彼の言葉を借りれば、『…ビートルズは確かに、自ら作り出した嵐の目の中にいた。それが人生を素晴らしいものにしている。』

ポール・マッカートニー写真展 1963-64 ~Eyes of the Storm~
会期:2024年7月19日(金)〜9月24日(火)
時間:10:00〜19:00(金・土曜日は20:00まで)
会場:東京シティビュー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
https://www.eyesofthestorm.jp

Text: Alma Reyes
Translation: Saya Regalado
Photos: Courtesy of MPL Communications Ltd. © National Portrait Gallery, London. © Fuji Television Network, Inc.

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