デザイナート トーキョー 2023

HAPPENINGText: Taketo Oguchi

オフィシャル会場の一つとなるエスコルテ青山ビルでは、国内外から集まった注目のクリエイターの作品が集結したデザイナート・ギャラリーが展開。空間デザインには、2021年に30歳以下のクリエイターに焦点を当てた「UNDER 30」にも選出された注目のデザイナー進藤篤を起用し、コロナ禍で大量に消費され、不要になったアクリル板を再利用したインスタレーションが約500平方メートルの空間を彩った。


「DESIGNART GALLERY」(エスコルテ青山ビル)© USAMIRYO

会場では、日本のポータブル照明メーカー、アンビエンテックの既存のコレクションに加え、4月のミラノサローネで発表した新作を国内初お披露目されたほか、昨年ワールド北青山ビルのメイン空間を手がけたデザイナー板坂諭による、ムラーノ島で製作したガラス製の風船型ランタンを発表。環境にやさしい竹とサトウキビで作られた紙の食器を展開する「WASARA」は、日本を代表するインテリア・メーカー、マルニとコラボレーションし、アップサイクルをテーマとした、アート作品を展示した。


北条英「+GRAVITY」+ 前田怜右馬「現象という意匠」(ティアーズ・ギャラリー)© Nacása & Partners

建築家・田邉曜設計による荒川技研工業表参道ショールーム3階にあるティアーズ・ギャラリーでは、「UNDER 30」のクリエイター2名を含む4名の作品を展示。北条英前田怜右馬が“重力”をテーマに、照明と革靴を用いたインスタレーションを展開するなど、繊細さを伴いつつも大胆なアプローチを行う作品群が揃っていた。


Nyokki「hoop being」(西武渋谷MOVIDA館)© Nacása & Partners

西武渋谷MOVIDA館7階の特設会場では、複数組の若手クリエイター中心の展示空間が行われていた。三谷悠・八幡佑希・柿木大輔からなるNyokkiの「hoop being」は、シチュエーションに応じて様々なカタチに変容する家具で、そのクッション素材には通常は捨てられてしまう布団を洗浄・殺菌したリサイクルコットンを使用している。神戸芸術工科大学出身の4名で結成したデザイングループPHATは、使われなかった余剰資材の可能性を拾い上げて、新しい価値を探求したインテリアピースを発表していた。

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チーヤン・チェン
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