ストックホルム国際映画祭 2018

HAPPENINGText: Victor Moreno

シェイニウスは、ファルハーディーへのビジョナリーアワードについて、次のように説明した。『ビジョナリーアワードの選出に際しては、作品の創造性、つまり監督が持つビジョンについて深く調べます。一つの映画で監督の持つビジョンを判断するのは難しいので、最新作に目を向けるというよりはむしろ、彼らのキャリアを見ていきます。』彼女の言葉通り、これまでの受賞者には、ガス・ヴァン・サント、テリー・ギリアム、ウォン・カーウァイが名を連ねる。


Best Photo Award, Hiroshi Okuyama Photo: Sophia Carrhage © Stockholms Film Festival

映画祭は映画産業にとって基盤となるイベントだ。様々な国から買い手が訪れ、そこで映画の配給が決まっていく。『150本の映画のうち、32本のプロジェクトが成立しました。これは非常に高い数字です。買い手と私たちが本当にいいと信じる映画を結びつけるのが私たちの使命です。例えば、今年最も称賛された映画の一つは、奥山大史が若干23歳で手掛けた「僕はイエス様が嫌い」。この映画は素晴らしいことに、5回の上映が売り切れとなりました。』とシェイニウスは語る。


Stockholm Achievement Award Winner, Gunnel Lindblom Photo: Olav Holten © Stockholms Film Festival

功労賞は、イングマール・ベルイマンの作品で演じてきたスウェーデンの女優兼映画監督のギンネル・リンドブロムに贈られた。これまでの功労賞受賞者には、フランシス・フォード・コッポラ、ジャン=リュック・ゴダール、クエンティン・タランティーノ、スーザン・サランドンがいる。ナディーン・ナバキーによる「カペナウム」は、ストックホルム国際映画祭の観客賞と脚本賞を受賞した。映画祭は、より多くの人が劇場に足を運び、より多くの国際的な映画製作者が招待されることで成長し続けている。 来年30周年を迎えるストックホルム国際映画祭。特別なものになることは間違いない。

The 29th Stockholm International Film Festival
会期:2018年11月7日(水)~18日(日)
会場:ストックホルム市内の劇場
TEL:+46 8677 50
https://www.stockholmfilmfestival.se

Text: Victor Moreno
Translation: Satsuki Miyanishi
Photos: © Stockholms Film Festival

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