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梅沢和木

PEOPLEText: Yuki Mine

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撮影:山中慎太郎

実際に作品を拝見して、ビビッドな色づかいがとても印象的でした。様々な色を重ねつつ、それを一つの作品としてまとめる上で気を付けてらっしゃることはありますか?

作品の色はモニターの発光する透過のRGBの色が常に参照されています。映像の持つ色と絵の具の持つ色は種類の違うものです。単純にデジタルとアナログで分けることのできない、複雑な関係がそこにはあります。絵の具の色はモニターの色とは違いますが、モニターの色を意識して構成することは可能です。自分が作品を作る時は、モニターにしか表出しないあえかな色の感触を辿るように制作をしています。具体的には、その多くがモニター上で生き生きと表情を発揮するアニメやゲームのキャラクターの鮮やかな眼や髪の色などが参照されています。

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撮影:山中慎太郎

作品はどのような流れで制作されているのですか?一つの作品を完成させるにはどれくらいの時間がかかっているのでしょうか。

大きくムラがあります。最近把握できてきた気がするのですが、三時間、三日、三ヶ月というパターンがあります。三時間でできる時は今までの脳内のイメージ蓄積とHD内のデータ蓄積がとても都合よく噛みあい、完成イメージへ超特急で向かう時。三日でできる時は脳内とHDとそれぞれの蓄積を若干分解と再構成を繰り返しながら完成図を作っていく時。三ヶ月というのはかなり悩んで前提を壊してさらに構築する必要のある時です。過去に「げんじつ!」展というグループ展に出品する作品を作った時は、三ヶ月くらいかかりました。三年という感覚は今のところ来ていません。

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撮影:山中慎太郎

梅沢さんの作品におけるいわゆるオタク文化の影響は、初期の作品と最近の作品では変化してきていると思いますか?

オタク文化が内容を常に更新して変化していくのと同じように、その都度そのつど影響されていると思います。震災以後ではオタク文化に加えて三次元要素、社会的要素を意識するようになりました。そういった意味では変化していると思います。

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