アヤミ・ニシムラ

PEOPLEText: Wakana Kawahito

とても特徴的な色使いですが、色に対する思いはどこから来ていますか?

明るいキレイな色が好きですし、様々な色を組み合わせることも好きですね。赤は情熱、青はクールなど、色にはフィーリングがあると思うのですが、そんな多様なフィーリングが組み合わさることで、全然違った感情が生まれ、気分が変化していくのが面白いです。作品づくりにおいては、ショッキングピンク、ターコイズブルー、エメラルドグリーン、イエローなど、好きな何色かの色を繰り返し使っています。

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© Rankin

作品をつくる上でのポイントや気をつけている事は何ですか? キレイに見せる事が第一の条件ですか?

そうですね、 基本的にはファッションなので「わー、可愛い!」と人目を惹く ことは大切にしています。この写真集を見た人が、そこからインスパイアされて「やってみたい!」と思ってくれたら嬉しいです。アフリカンアート調のものを部分的に取り入れた作品をイタリアンヴォーグのビューティページに載せました。全体的にやるとどぎついけれども、目元の一部だけにとり入れたり。やり方次第ですよね。

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© Rankin

そもそも、メイクアップアーティストになったきっかけは何だったのですか?

美容師を日本で10年ほどやった後、ロンドンに渡りました。日本ではファッションの人と知り合う機会がなかったのですが、ロンドンではテスト撮影などで呼んでもらえることがあって、ファッション関係の知り合いが徐々に増えていきました。そこで誰もメイクをやっていなかったので、やってみようかな、ということで始まって。何度か繰り返しているうちにすごく面白くなってきたので、ヘアをやめてメイクに専念しようということになりました。日本だとヘアとメイクの両方を一人でやる人が多いですが、海外だと、ヘアとメイクはそれぞれ別の人が担当します。ロンドンに行ったのが1993年ですから、もう20年になりますね。日本にいたときは、メイクのことは全く知りませんでした。働いていたのも原宿のおしゃれなサロンではなく、東京の田舎の方の普通の美容室でしたし。

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© Rankin

最初は手探りでやっていたのですが、何年か経ち、パリコレなどで仕事をするようになって来た頃、色んなことが不安になってきたんです。学校に行って習ったわけではなく、全て独学でやってきたものですから。そこで、色々と見てみたいと思って、ステファン・マレーのアシスタントをショーの時だけ(年に4回ほど)3年ぐらいしました。当時、シャネル、ランバン、ゴルティエを含むほとんどの有名メゾンのメイクはステファンが手がけていました。トップモデルが全員そこにいて、パリコレは煌びやかだなー、と圧倒されて…。いつか自分もステファンみたいに有名メゾンのショーを担当してみたい、という思いも強くなりました。現場でも、ステファンがちょっと手直しをするだけで顔がガラっと変わるのを目のあたりにしたりして、ずいぶん勉強になりました。

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鈴木将弘
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