アンリアレイジ

PEOPLEText: mina

「○△□」「凹凸」「シルエット」「アルファベット」… 毎シーズン、コンセプチュアルで示唆的なコレクションを発表している「アンリアレイジ」。当たり前とされていることに疑問を持ち、日常を見つめ直す。「身体という洋服における定規を問い直すこと。定規を変えない限り新しい洋服は生まれない。」をテーマにしたアンリアレイジ2010-11秋冬コレクション「wideshortslimlong」は、縦横比率を変形させたマネキンを用いたコレクションで、人々を驚かせた。アンリアレイジのデザイナー、森永邦彦の頭の中を覗いてみよう。

アンリアレイジ
ANREALAGE A/W 2010-2011 COLLECTION「wideshortslimlong」 © ANREALAGE CO.,LTD

早稲田大学在学中にバンタンデザイン研究所にも通われ、服づくりをスタートされていますね。大学在学中に何か転機となるようなことがあったのでしょうか?

僕が入学した頃、同じ大学の4年生に「keisuke kanda」の神田恵介さんが、3年生に「tokyo ripper」の佐藤秀明さんが在学していて、二人とも既に自分のブランドで活動していました。彼らとの出会いがとても大きいです。特に、運行中の電車をランウェイにして行った、神田さんのファッションショーが衝撃的でした。それは今迄自分がイメージしていた、着飾るだけのおしゃれなファッションショーではなく、強いメッセージ性のある表現としてのショーでした。それがきっかけで洋服の力に気付かされ、自分も洋服で表現したいという気持ちを持ちました。

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ANREALAGE 2009 S/S COLLECTION「○ △ □」 © ANREALAGE CO.,LTD

アンリアレイジは、“日常(リアリティ)、非日常(アンリアリティ)、時代”(エイジ)という3つのキーワードをブランドネームにしていますが、デザイナーとしてのそれらの言葉の解釈について教えていただけますか?

“リアル” は、いわゆる日常です。“アンリアル” は、非現実やバーチャルということではなく、日常の中に埋もれている気付かないことだったり、見過ごしてしまうことと捉えています。“時代” というのは常につきまとうものです。この時代に生まれて、この時代に服づくりをしているという同時性にすごく意味があると思うので、その時代とは対峙しながら活動していきたいです。ANREALAGEを、「UN REAL」ではなく、「AN REAL」としているのは、あくまでも僕は日常を描きたいので、その中にある違和感や日常気付かなかったことへのこだわりからです。

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