コーラ・グロッポ
PEOPLEText: Celeste Najt
コーラ・グロッポの2010-2011年秋冬コレクションは、大海原をヒントに「オセアンカ(Oceánica)」と名づけ発表された。このコレクション制作にあたり、まず彼女が用意したのが魚のレントゲン写真だという。その写真には体内が透けて見えた骨の多い魚が写っている。その形を基準として、彼女は洋服の輪郭を定めていったという。プラスチックの鎖は生地の背骨の役割を果たし、腕から袖、肘にかけて”胸ヒレ”の代わりとなるジッパーが付けられ、”えら”のように自由に開閉できる構造になっている。
細部にこだわったレザーは鱗を思い出させ、魚の形態は、より一層ぴっちりとして伸縮性のあるジャケットの袖やマント、パンツに如実に現れている。さらにその洋服の暗くくすんだ色はまさにマーメイドを表し、さらに近未来的な感じを与えてくれる。
魚のプリント、シフォン、サテン、シルクなどの生地、さらに服に付けられた鎖が一緒にドレスの上で一つにまとまっている姿は、今回のコレクションの象徴的な存在となっている。さらにその洋服の暗くくすんだ色はまさにマーメイドを表し、さらに近未来的な感じを与えてくれる。- coragroppo.comのサイトより
ファッションデザイナーになろうと思ったきっかけを教えて下さい。
1989年は学校卒業の年でしたが、その後は建築の勉強をしようと考えていました。でもブエノスアイレス大学に通う間に気持ちが変わって、ファッションデザインの勉強をしようと決めました。
コーラ・グロッポのこれまでの経緯について教えて下さい。
最初の店舗はエルサルバドル通りとアルメニア通りの角にありました。現在パレルモに数ある洋服店の中でも最初にできた店の一つです。その場所に店を構えるのはとても自然な流れでした。というのも、私自身がその地区に数年間住んでいましたから。そのうちにパレルモは急発展して現在のように有名な通りになりました。2店目は、また違った客層を対象にしたかったのでレコレータに構えました。2年前くらいにブランドもだいぶ大きくなり、イタリアにも進出しました。イタリア人と提携し、スペイン広場やローマに店舗を開く事ができました。また、ブランドの製品をヨーロッパ全土に販売するプロジェクトも立ち上げたのです。ミラノのホワイトやパリのトラノイといった見本市にも出展して、世界各国のバイヤー達にブランドの製品を見て貰う事もできました。
毎コレクションをデザインするにあたってのインスピレーションはどこから得ているのでしょうか?例えば昨シーズンのものは何に刺激からヒントを得て制作されたのでしょうか?
私のデザインは基本的に形態学の研究が基になっています。毎コレクションごとに既存の体のシルエットをどうすれば一から作り直していけるのか、と考えるいるんです。昨シーズンのコレクションは魚のレントゲン写真を集めた「イクティオ(魚)」という写真集が基になりました。
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