医学と芸術展:生命と愛の未来を探る ― ダ・ヴィンチ、応挙、ダミアン・ハースト
HAPPENINGText: Alicia Tan
生と死という従来からあるアイディアに巧みに挑戦した、円山やバルビエの作品は、見る者に死や病が本当に終わりなのか、または、芸術の形で何を永久に存在させるということは、その存在を延長しているということなのか、という質問を投げかける。
Damien Hirst. Surgical Procedure (Maia) 2007. Oil on canvas. 182.9×243.8 cm. Photo: Prudence Cuming Associates Ltd, Courtesy White Cube. © Damien Hirst, DACS, 2009
この展覧会を存分に楽しんでいるというのに、個人的には何かが欠けていると感じてしまう。医療道具の内包しているものが、他のもっと典型的な芸術作品を見る私の知覚を曇らせているようだ。同時に苦い現実の厳しさを迫られたように感じた。冷たく固い科学的な事実と対照的なアブストラクトなインスタレーションの狭間で揺れ動くことを楽しんでいる観客がいる中で、個人的には、論理(科学)と心を迷わす感情(芸術)を切り替えるスイッチが常に必要と感じた。
私たちが生きている限り、芸術は繁盛し続けていくだろう。もし医学や未来の科学的進歩がその道を行くとすれば、私たちは永遠に自分たちの形式で芸術を創造していくことができるだろう。
医学と芸術展:生命と愛の未来を探る ― ダ・ヴィンチ、応挙、ダミアン・ハースト
会期:2009年11月28日(土)〜2010年2月28日(日)
時間:10:00〜22:00(火曜日17:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://www.mori.art.museum
Text: Alicia Tan
Translation: Mariko Takei
Photos: Courtesy of the Mori Art Museum © the artists