フガハム
PEOPLEText: Mariko Takei
今年の7月までエンライトメントのアートディレクターとして活躍し、個人によるアーティスト活動も同時に展開してきた三嶋章義と、ファッションデザイナーの山本亜須香により2006年に活動を開始し、2007年にはメンズを手掛ける三嶋隆夫をメンバーに加えた気鋭のファッションブランド「FUGAHUM」(フガハム)。“ファッション”や“アート”といった単一の枠に捕われない方法で、彼ら独自の発想から生まれた「FUGAHUM」という王国をコレクション形式で披露している。10月の終わりに、その全10章で完成を迎えるアートプロジェクトの要素のひとつとなるVol06、2010年春夏コレクション「PRIMITIVE CHANNEL」を発表したばかりのフガハムから、今回のコレクションの話を中心にその活動について話を伺った。
FUGAHUM(フガハム)の設立経緯を教えて下さい。
「rooms」という合同展示会で三嶋がアート展示を依頼され、フガハム王国のコンセプトを立て作品を制作し、その絵を山本が洋服におきかえた展示をしたのがきっかけです。洋服と言っても着れないような服でしたが、それをきっかけに、あくまで洋服として成立するモノ作りをしようと思い、次のシーズンから現在のフガハムが始まりました。
FUGAHUM Vol.00, 07S/S, Quarter
フガハムの第6回目のとなる、2010年春夏のコレクション「PRIMITIVE CHANNEL」を発表されましたね。コレクションのコンセプトと、その中からいくつか作品を紹介して頂けますか?
PRIMITIVE CHANNEL=太古からの受信
目に見えるものだけを信じないで、個々の審美眼を使っていこうというメッセージが入ってます。第六感ではないけれど、感覚でモノを見れるセンスを個々が養えば皆同じ方向には向かないと思っています。
FUGAHUM Vol.06, 10S/S, PRIMITIVE CHANNEL
まず洋服を作る上でテーマにしたのが、ドレスの原点に戻ってみようという試みでした。
ギャザーやバイヤスによる自然な動きで形を作り平面から起こすのではなく、ボディーに直接造形して作ったドレスをつくりました。ブラックホールのような丸いパターンの周りに、放射線状にギャザーを入れこのパターンにあう生地を選び、相性の良い綾織のシルクを使用しました。
毎回レディースでシンボリックな一体を作るのですが、このドレスが今回のテーマに繋がる作品です。
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