YOSHI47
PEOPLEText: Satsuki Miyanishi
アーバンカルチャーとファッションを融合したストリートウェア・ブランド55DSLが展開する、クリエイティブな作品と優れた才能を紹介する空間「STUDIO55」。今回の展覧会がフューチャーするのは、サンフランシスコ、そして日本でバイクメッセンジャーとしてバイクカルチャーの中で様々な経験をしてきたアーティストyoshi47。
彼が描くかわいくも少し不気味なモンスターたちが表現するのは、私たち人間の中に潜む怪物。これまでの平面作品のみならず立体作品も発表した今回の展覧会「モンスターズ・イン・ユア・マインド」に際し、彼がメッセンジャーのコミュニティーで受けた影響、作品制作の原動力やよく聞く音楽のことまで、色々なお話を伺う事ができた。
今回の展覧会の出典作品について、またコンセプトを教えていただけますか?
タイトルにあるように「モンスターズ・イン・ユア・マインド」という言葉が今回に限らず、通年のコンセプトではあります。どんな人間にも怪物が宿っているという事です。例えば、どんなにすました顔をして、モデルのような透き通ったオーラを出しながら青山を歩いていたとしても、その人の回りにはどんなに甘く、セクシーな匂いがあっても、もしかしたらその人の心の中には人には見えない何か驚くような「怪物」がいると思うのです。
みな「怪物」だと思うと、この世の中がもの凄く面白く見えてきます。理性という鎧でがちがちに固めているような人もいれば、理性が1%な人もいるし。そうして考えると、みな違って当たり前の世界になりますよね。例えば、ゲイや同性愛という考え方や感じ方が大嫌いな人がまだこの世の中沢山いますよね。そういう人達は、自分は怪物ではなく、相手が怪物だという偏った考え方をしてると思うのです。でも自分も怪物だと思えば、なんてことない。みなそれぞれの味を持った怪物なのです。
といったことを考えながら、絵を描いたり、普段の生活を過ごしています。
他にも「グラフフューチャリズム」や、科学技術、社会問題、宇宙、自然、生物などなど最近コンセプトに取り入れ始めています。グラフフューチャリズムについては会場に足を運んでもらい実際に絵を見て、壁に取り付けてあるコンセプトを読んでもらえればと思います。
かわいらしくも何かを訴えかけてくるようなモンスターたちなど、作品のインスピレーションはどこからくるのですか?
僕がまだ小さかった頃に影響を受けたのが以下になります。
「笑うセールスマン/喪黒福造」
あざ笑う彼の悪魔的な存在と、しかし正義を貫く、白と黒の間にあるグレーゾーンに住む彼の存在が衝撃的でした。小学生ながら、この不思議な人物像にとても憧れをもっており、小学生の時からずっとこの口が裂けた顔を描いてました。
「ネバーエンディングストーリー」&「ラビリンス」
小学生の時に観たこの映画のキャラクターなどがもうどんぴしゃで。映画で育ったと言っていいくらい、この映画が大好きです。
このモンスターたちは鑑賞している人全てに対して嘲笑っているという事です。映画や作られたもの以外でのインスピレーションはやはり、人間や動物です。毎日会う人、新しく会う人、話す人、触れ合う人、全ての人からインスピレーションをもらっています。
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