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大友良英

PEOPLEText: Yurie Hatano, Mariko Takei

インスタレーション作品について見どころなど教えてください。

どの作品も最低でも1時間は接して欲しいなと思っています。全作品とも展示期間中に一度として同じ瞬間はありません。10分、20分見ただけでは全貌はまったく見えてきません。コンサートに接するように、ゆったりと、じっくりと、そしてゆったりとリラックスして接してあげてください。あなたが接したその瞬間は、他の誰もが、まだ見てない瞬間です。長く居ることできっと沢山のものが見えて、聴こえてくると思います。

大友良英
大友良英+高嶺格+多数のミュージシャン「orchestras」

様々なジャンルのミュージシャンやサウンドクリエータ、ビジュアルアーティストが参加されていますが、どのように今回のコラボレーションに至ったのでしょうか?

YCAMの方からの紹介もあったし、私がたまたま仕事の現場で一緒になって声をかけた人もいます。いずれにせよ、こういう良い出会いは、最終的には縁と、直感しかないと思っています。直感のメーターがふれた時には、まよわず声をかける。話してみる。それは恋人に出会うと似たようなものだと思います。

大友良英
「without records」制作ワークショップ風景

ワークショップやライブについて教えて下さい。参加されている方の反応はいかがですか?

ワークショップの面白さは、私の知らない、しかも専門家ではない人たちと一緒に作業ができることです。自分自身も含めての話ですが、専門家は多くのものを得る過程で、多くのもの失った人たちでもあります。その意味で非専門家には、専門家にはない可能性がある、しかもその可能性は乱暴なくらい多方向を向いている・・・そう思っています。そのポイントを発見し、引き出すことが何よりも楽しいですし、結果的にそうした人たちが大胆に関わってくれることで作品はどんどん豊かになていきます。今回はそのチカラに本当に助けられました。とくに「without records」と「orchestras」の地下は、そうした人たちの協力がなければ、面白さは半減したと思いますし、ライブでも小学生や中学生の参加がどれだけ場を豊かにしてくれたかは計り知れません。

大友良英
「orchestras」オープニングライブ

ライブについては、これは私にとっては日常といってもいいくらい、毎日のようにある出来事ですが、でも、今回展示の中でライブをやるということ。しかもそこには私の知らない人たちもいっぱい参加してくれていた・・・というこの2点に、いつもとは違う、大きな可能性を感じています。

展示で得たアンサンブルズのコンセプトを、今度は逆に音楽のライブの現場に持ち込みなおしたら面白いことになるのでは・・・今はそんな予感がしています。できることなら山口の地域のコミュニティを巻き込んで、「ENSEMBLES」のライブヴァージョンをやっていけないだろうか・・・そう思って、YCAMの阿部一直さんに新たな提案をしています。

今後の活動予定や挑戦したいことなどを聞かせて下さい。

今回の制作を通じて、アンサンブルズというコンセプトに大きな可能性を感じています。感じすぎて、脳みそが沸騰しています(笑)。展示作品も含め、今回YCAMで始まったこの方法論を、この先どう発展させていくか、今の最大の興味はそこです。

なんだか、熱く語りすぎているかもしれませんが、この先、あと20年生きれるのか、30年生きれるのかわかりませんが、残りの人生、全てこれにかけても悔いなし・・・ってくらい本人の中では、節操もなく盛り上がっています。

大友良英「ENSEMBLES」展
会期:2008年7月5日(土)〜10月13日(月)
時間:10:00〜20:00
会場:山口情報芸術センター[YCAM] 館内各所
住所:山口市中園町7-7
TEL:083-901-2222
入場無料
https://otomo.ycam.jp

Text: Yurie Hatano, Mariko Takei

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