粟津潔展「思考する眼差し、絵画するイメージ」

HAPPENINGText: Kazumi Oiwa

1980、90年代になるとまた更に画風は変わってくる。鳥、牛、喜びを表している様に見える人間、天使などがモチーフとなっている作品が多く、先程までの色見が強い作品とは異なり、淡く、優しい色使いが目立つ。今回の展覧会では、東京から粟津氏の知人が来札していたのだが、夜に行われたトークショーで『先生は鳥に興味を抱くと、先生自身が鳥になるんです。それくらい夢中になるんです。』と話していた様に、粟津氏の作成風景の映像の中で、実際鳥のまねをしている映像も流れていた。

粟津潔展 − 思考する眼差し、絵画するイメージ

『彼は絵の他にも、建築や映像にも常に興味を持っていました。建築は1960年の世界デザイン会議を発端に、それが大阪万博へと続きます。彼はメタボリズムという重要なグループのメンバーで活躍していきました。映像も60年代、草月アートセンター発足の頃から、勅使河原宏の劇映画のタイトルデザインを作り始め、70年代のはじめには自作の実験映画も製作しています。80年代以降は絵画を改めて描く、というルーツに戻り次々と作品を残して行きました。』

粟津潔展 − 思考する眼差し、絵画するイメージ

今回、作品を眺めて、またケン氏のお話を聞いて、やりたいものはとことん追求する、それがその時代に合ってなくともそれがやりたい、または興味があるからとにかくやるんだという粟津氏の素直な思い、行動力、また情熱を感じた。『彼はとても明るくて、無邪気な人です。色々なものに興味を持ち、それを包み隠さず模倣し、作品にする。良いものは良いんだ!とはっきりしている人なんです。それがただ単に紙の上だけでは無く、広く自分の表現の場を築いていきました。それは彼の性格と姿勢がそうさせたんだと思いますし、現在でも活躍しているアーティストの皆さんに多大な影響力を与えたのだなと思います。』とケン氏が語る様に「人間・粟津潔」がとても現れている作品ばかりだった。

粟津潔展 − 思考する眼差し、絵画するイメージ
会期:2008年9月5日(金)~11月3日(日・祝)
時間:11:00~19:00(入館は18:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
会場:札幌宮の森美術館
住所:札幌市中央区宮の森2条11丁目2−1
観覧料:一般500円、高大生300円、中学生以下無料
主催:札幌宮の森美術館
後援:札幌市、札幌市教育委員会
https://miyanomori-art.jp

Text: Kazumi Oiwa
Translation: Kazumi Oiwa, Satomi Gentsu

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チーヤン・チェン
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