EVA(エレクトロニック・イメージング&ビジュアルアーツ)2000
HAPPENINGText: Sergey Safonoff
モスクワのメディアライフを送る上で最も重要なイベント「EVA 2000」(エレクトロニック・イメージング&ビジュアルアーツ 2000)が今月トレチャコフ美術館で開催され、世界的にも重要な展覧会となった。カンファレンスは、「ミュージアム、ギャラリー、図書館、アーカイブにおける新しいテクノロジー」という主題のもとに開催された。
展示やアーカイブ保管、特殊なソフトウェアに関する専門的なレポートとは別に、イベントでは、教育や実際の展示を補うものとしてのバーチャル展示におけるマルチメディアや、教育のための道具の視覚化における実験などについても幅広く取り扱っていた。
The booth of INTERSOFT Multimedia Publishers
学習者の教育においては、手段の統合が特別な意味を持つようになる。そのどれもが、世界的に認識されるための確かな手段であり、クリエイティブで楽しい知識を前提条件とした総合的な教育環境に統合されている。VRMLをベースとして作られ、数多くのデータベースと結合した教科書の多目的インターフェイスの概念が、特に興味深かった。実現が予定されているので、具体的な人物に適応できるようになり、学習者の潜在的な能力を引き出すことができるようになるだろう。
標準的なテキスト上の情報とは全く別に、インターフェイスのモデルは、学習者の身体に植え込まれている過程と客観的な秩序を理解させることができるものとして発表された。また、多くのミュージアムが、テクノロジーを使用したバーチャル展示やマルチメディア製品における自分達の経験を発表し、互いにシェアしていた。
デザイナーやマルチメディアアーティストにとって最も興味深いのは、「購入者の需要の上昇」という主題だ。もしそれが財政的な問題ではなかったとしたら…。
The booth of HyperMethod Multimedia Publishers
今回の展覧会には僕達のスタジオも参加し、「東洋アートの公式ミュージアム」というプロジェクトを発表した。展覧会のミュージアム・セクションで発表された真面目なプロジェクトとは異なり、コンテンポラリーアート・セクションは、まるで幼稚園のようだった。ここでは、インターネットでは誰もが簡単にアートプロジェクトを制作することができ、Eメールを使って便利にコミュニケーションすることができるというようなことが語られていた。しかし、最後に発表となった「携帯電話のアートの証明」では、「現在のWAPは1995年のWWWである」「独占的なアート環境WAP」などというテーマとともにプロジェクトが発表された。
イベント全体は、インターネットでの放映や巨大な透明スクリーンなどの装置が設置され、完璧に準備されていた。今回の展覧会では、メディアのスペシャリスト達が分かりやすい言葉で語り始めたという事実を知ることができたという点で良いイベントとなった。
EVA (Electronic Imaging & the Visual Arts) 2000
会期:2000年10月30日(月)〜11月3日(金)
会場:The State Tretyakov Gallery
住所:10 Lavrushinsky Lane, Moscow
TEL:+7 495 957 0727
https://artinfo.ru/eva/
Text: Sergey Safonoff
Translation: Mayumi Kaneko