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第9回 文化庁メディア芸術祭

HAPPENINGText: Yasuharu Motomiya

文化庁メディア芸術祭」をご存知だろうか? 何度かシフトの記事でも取り上げられているが、名前から察するとおり、日本の文化庁が主導するメディアアートのフェスティバルで、今回9回目を迎える。作品の大半は公募され、日本国内のみならず世界各国から応募された作品群のなかから、アート、エンターテイメント、アニメーション、マンガと部門ごとに分類され選出された作品が東京都写真美術館を会場に2月25日から3月5日まで展示される。

また、上にあげた部門とは別に功労賞と学生CGコンテストも設けられており、現役で活躍する作家のみならずこれから注目されるであろう、若い才能にも目を向けたフェスティバルである。

さて、今回各部門の大賞や優秀賞に選出された作品については、文化庁メディア芸術祭のウェブサイトに詳しく発表されているので、そちらへゆずるとして、ここでは賞の如何に関わらず幾つか印象に残った作品を紹介させて頂く。


「OiTV」マーク・ハウエンシュタイン

アート部門で出展されていたマーク・ハウエンシュタインによる「OiTV」は、見た目はただのブラウン管テレビだが、テレビを触ったり叩いたり捻ったりするとそれにあわせて画面上の映像が変化するというもの。ちょうどその時は一般的なワイドショーと呼ばれる番組が放送されており、こちらは実際のテレビでも見ることができる番組で、こちらの作品用に作られた映像ではなく、リアルタイムのものだ。そこに非常な驚きがあった。ある意味今までのテレビの概念を覆すものである。通常テレビの地上派で放送されている番組はビデオに録画しない限り、こちらの意図とは関係なく延々と画面上をプログラム通り流れているだけだ。しかし、この「OiTV」は現在放送されている番組に対して、エフェクト的なものをこちらの判断でかけることができるのだ。しかも、特別な機材を操作することなくテレビの側面や上部を叩いたり、テレビ自体を傾けたりすることによって。おそらくテレビの箱内部では特別な処理が施されているのだろうが。アイディア自体ユーモアがあり非常に好感が持てる。


「フリップブック!」ファン・カルロス・オスピナ・ゴンザレス

エンターテイメント部門ではファン・カルロス・オスピナ・ゴンザレスのアイディア、技術、ポップさが際立った、誰でも楽しめるネット上で動くフレーム・アニメーションツールのプログラム「フリップブック!」が群を抜く面白さであった。こちらはネット上にあるので興味のある方は是非体験してほしい。

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