トキオン・クリエイティビティ・ナウ・トーキョー

HAPPENINGText: Yoshihiro Kanematsu

気がつけば肌寒い10月23日、ラフォーレミュージアム原宿で、トキオンの主催によるイベント「クリエイティビティ・ナウ・トーキョー」が行われた。内田裕也や藤原ヒロシ、野田凪からテリー伊藤までごった返した2004年に続いての今回は、メディアレイピスト宇川直弘に加えてアグレッシヴな脳学者茂木健一郎も司会として初参戦!

待ち受ける今年の顔ぶれも板尾創路、楳図かずお、辛酸なめ子、いとうせいこう等などまたとなく予測不能で、クリエイティブディレクターのアダムが『アタマを使って、パーティーよりも楽しんじゃおう!知恵熱に御用心!』と宣言したとおり、脳みそがグルングルン火照り出す濃密な一日となった。(詳しい内容は1月号のトキオンに収録予定だそうです、お楽しみに!)

心待ちの幕開けは「ブレイン・サファリパーク」!イグ・ノーベル賞受賞者にしりとり竜王、ビデオアートの草分け的存在から「ギョエー!!」なぶっ飛び漫画家まで、一同に介するこの小1時間に会場のテンションもあがっていく。

本当なのか騙しなのか気の抜けないジョークを淡々と語るドクター中松を遮るように、おなじみのグワシハンドでやりたい放題の楳図かずお、そんな姿を横目に『つまんない話をするのは馬鹿だ。』と冷静に斬る松本俊夫と、最小限の言葉と動きで笑いを引き出す板尾創路。茂木さんが『こんな司会受けなきゃよかった(笑)』と足をプルプルしながらこぼすように、『創造性って何?』というシンプルな問いかけにも四者四様のコントラストが宇宙的に際立って、強烈な今日の日を予感するように、次第に脳みそが『何でも来い!』とスタンバイしていった。

続いては、ファッションギークスに大人気のヘンリック・ヴィブスコフ×ヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表アーティスト小谷元彦×既に風邪で知恵熱気味の宇川直弘による「ビヨンド・リアリティ」。「おばさんが After Effects で光線を出せる時代」に差し掛かって、「新しい時代のアウラって何だ?」と切り刻んでいく。

『人気って人の気って書くけど、アウラが消えない人にはその循環回路を持っているんじゃないかな。』という宇川さんの指摘には大きく頷いた。表現者のアウトプットだけでなく受け手のインプットも同じくらいクリエイティブであって初めて、心揺さぶるアウラのキャッチボールが成立する。そのリアリティ溢れる循環によって、健全なカルチャーは育ってゆくのではないだろうか。

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