ライトニング・ボルト

PEOPLEText: Roberto Bagatti

ベースのブライアン・ギブソンは、信じ難いほど速いリフを、耳が聞こえなくなりそうな悲鳴なような音で、分厚いノイズの壁に凝縮されたフィードバックと共にかき鳴らし、いわゆるメタルサウンドと呼ばれるプレイをし、一方、ドラムのブライアン・チッペンデールは、ひどく破壊的で、しかし技術的にしっかりとした、正確なリズムを刻む。

私は友人のトムとはよく気が合い、いろんな感想が一致するのだが、この日も例外ではなかった。アシッド・マザーズ・テンプルとブルームで行われた、ルーエンズ・ニュー・ジャパニーズ・ミュージック・フェスティバル以来の、今年のベストライブだった。容赦ない音の暴力は、狂気ともいえるボリュームで観客を襲う。そんな中、唯一ほっとできるのは、ベースソロの際にドラムのボリュームを少し落とすほんの一瞬。ソロが終わるとまたクライマックスに向かって、ヒートアップしていく。ベースのディストーションはかなり激しく、もはや楽器というよりは武器のようだ。アドレナリンが走り、鼓動は高まっていく。

このライブは尋常なものではないが、この街のクリエイティブリソースはファッションしかない、というようなつまらない固定観念を思いきり打ち抜く必要がここにはある。背後にアンプを高く積み上げ、「ライトニング・ボルト」は、私達が長い間待ち望んでいた深い惨害を残していった。

LIGHTNING BOLT LIVE
日時:2004年10月10日(日)
会場:COX
住所:Via Vincenzo Toffetti, 20139 Milan
https://www.laserbeast.com

Text: Roberto Bagatti
Translation: Naoko Fukushi
Photos: Roberto Bagatti

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