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ライトニング・ボルト

PEOPLEText: Roberto Bagatti

アメリカ、ロードアイランド州からやって来た、2人組バンド・ライトニング・ボルトがミラノのコックス・ソーシャル・センターで、衝撃的なライブを見せた。このライブを見られて本当に良かった。

しかし、他の国ではなかなかこのようなライブをソーシャル・センターでは行うなんてことはできないだろう。イタリアは、共産主義者、無政府主義者、パンク、ハッカー、レイブに生きる人種が廃業になった工場、使われていない校舎、教会などを占拠し、劇場やコンサートホール、アートギャラリーに改造するという動きがある。そのようなスクワットは至るところに存在し、このソーシャル・センターも70年代中頃から、今世紀で最も活発な文化施設となっている。

このライブは、イタリアで今存在する中で最も優れたバンド、ZUが主宰するフェスティバルの2日目に行われたものだ。彼らも、マット・ガスタフソンの逆なでるような自由なサックスと共演した素晴らしいステージを見せたが、ライトニング・ボルトが2曲目にさしかかる頃には、雰囲気はもう完全に “ライトニング・ボルトの夜” になっていた。

彼らはステージで演奏せずに、フロアに全てのセッティングをし、彼らの前に演奏しているバンドの最後のフィードバックが切れないうちに演奏を始め、音のスチームローラーを始動させることで有名で、歯に振動がズシズシ伝ってくる3800ワットのベースアンプと共に、まるで舞台は聴覚に核爆弾が落とされたかのような状態になる。実際、頭を肘打ちされずには、この写真は撮れなかったというくらいの大混乱状態で、観客は狂乱状態に陥っていた。

こんなに激しく観客のパワーを解き放つライブはめったに見られないし、耳栓をしてライブに行くこともこれまでそうそうなかった。容赦ない彼らのスピードとビートからは、初期のアシッドハウスを思い出させる、決まったパターンがもともとあるようにも聞こえるが、毒のある耳障りなキックバックと、自分が原子炉のど真ん中に立っているかのような錯覚さえ起きる、雷のようなフィードバックで、彼らはさらに勢いを増していく。こんなパワーのあるライブはこれまで経験したことがない。

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